【武田修宏の直言!!】今季からドイツ1部ドルトムントの新監督に就任したピーター・ボス氏(53)と14日に久々の再会を果たした。翌日にJ1浦和と親善試合「Jリーグワールドチャレンジ」を控えて多忙なところだったんだけど、昔話に花を咲かせただけでなく、名門クラブを率いることへの覚悟と自信を感じたね。

 ボス監督とは千葉時代の1999年に一緒にプレーして、私が指導者のS級ライセンスを取得する際、2週間のオランダ研修でも一緒だった。昨季はアヤックス(オランダ)を指揮。今季から初めてドイツのクラブの指揮を執ることはかなりのプレッシャーだと思うけど「アヤックスはクライフ(故人)のクラブという印象もあったから、そっちの方がプレッシャーだった。ドルトムントのほうが思い切りできそうだよ」と笑っていたよ。

 日本人とすればMF香川真司(28)の起用法が気になるところ。年齢も重ねてベテランになってきたし、チームには10代の若手有望株も多い。出番が減るのでは…と聞いてみたら「タケダ! 俺は何歳でJリーグをプレーしていたか覚えてるか? 36歳だぞ!」って言われた。いいプレーができれば年齢は関係ないし、選手起用に対する目線はフラットだね。

 そんな中で監督は「若くて、小野みたいな選手がいたら、ぜひ紹介してほしい」って言ってきた。彼の中で「日本人ナンバーワン」が今でもMF小野伸二(37=札幌)というのは驚いたけど、その理由というのが「試合を組み立てられて、パスが出せる」というもの。この話を聞いただけでも、ボス監督が目指すサッカーがどんなものなのかが見えてくるんじゃないかな。

 最後に「日本人選手はコミュニケーション能力が足りない」とも話していた。一方で、ハードワークができることを長所に挙げていた。香川は監督好みの選手なのは間違いないだけに、今季の活躍を期待したいね。(元日本代表FW)