赤い悪魔の再浮上はあるのか。J1浦和は22日のC大阪戦で2―4と惨敗したが、フロントはミハイロ・ペトロビッチ監督(59)の解任を否定。優勝が遠のく結果となったにもかかわらず、危機感の薄さばかりが浮き彫りになった。

 8月15日にスルガ銀行チャンピオンシップを戦う関係で、1試合だけ前倒しで行われた一戦だったが、首位を走るC大阪との力の差は歴然。前半だけで4失点は23年ぶりのワーストタイ記録で、守備陣はまたも醜態をさらした。MF柏木陽介(29)は「一回ケンカしようかというくらい、甘さを取り除いていかないとダメ」と話したが、裏を返せば“ぬるま湯”の状態でここまでやってきたことも露呈した。

 それでもクラブ首脳は引き続き、指揮官の支援を約束。5日の川崎戦敗戦後に勃発した退任騒動も、9日の最下位新潟戦と12日の天皇杯J2熊本戦の連勝で終息ムードに包まれ、正念場のはずだった首位C大阪戦の惨敗でも蒸し返される様子はない。あるJクラブ関係者は「監督のサッカーが限界を示しているのに、選手からの信頼はまだ厚い。それがいけないと思いながらも、フロントがメスを入れない。全員がおかしくなっている」と“機能不全”に陥っていることを指摘した。

 もはや特効薬すら見つからない状況。浦和に明るい光は見えない。