【武田修宏の直言!!】日本のエースは新天地に適応できるのか。メキシコ1部のパチューカに移籍した日本代表FW本田圭佑(31)はリーグ開幕のUNAM戦(23日=日本時間24日)に向け調整を行っている。いよいよ再始動するストライカーについて、元日本代表FW武田修宏氏(50=本紙評論家)は、ラテンの国で克服すべき“難題”を指摘した。

 本田がメキシコに移籍したのは正直驚きだったね。でも豊富な資金を持つクラブが多いし、年俸もトップ選手は2億円を超えているから、割と好環境じゃないかな。外国人については、南米のブラジルやアルゼンチンからの助っ人が多く、日本人が即戦力で加入するのは珍しいことでしょう。

 かつてテレビの仕事でクラブW杯に出場するパチューカに密着したことがあるんだけど、メキシコリーグはパスサッカーが主流。それに欧州各国リーグほど、攻守両面でハードワークを求めない傾向があるね。比較的ボールをつなぐスタイルなので、スピードのない本田も持ち味を十分に発揮できると思う。

 ただ、特徴のあるメキシコで結果を出すにはクリアしないといけない課題もあるね。まずは激しい当たり。南米にも匹敵するチャージは反則ギリギリの荒々しさ。フィジカル力のある本田でも受け身でいれば苦しむだろうし、すぐにケガをしかねない。特にメキシコでは珍しい日本人だから相手からターゲットにされかねないよ。

 2つ目はラテン気質のサポーターの存在。とにかく毎試合、お祭り騒ぎになるし、選手には派手なプレーを求める。華麗なテクニックで相手を抜き去るとか、1対1の局面などでいかに観客を魅了するようなパフォーマンスを見せられるか。良いプレーをしてもそこができないとファンからの信頼は得られないし、メキシコでは認められないんじゃない?

 しかもパチューカは標高2400メートルの高地で空気が薄く、なじむには時間がかかる。その上、昨季イタリアでほとんど試合に出場できずに試合勘の欠如や体力の低下といった不安も抱えている。まずは自身の体調を万全に戻して“メキシコ流”を理解することが結果を残すための第一歩になるんじゃないかな。