【武田修宏の直言!!】不振でミハイロ・ペトロビッチ監督(59)の解任騒動に発展していたJ1浦和は、9日の新潟戦で逆転勝ちしてひとまず落ち着いたね。相手が最下位の新潟とはいえ、選手たちからは「監督のために」という思いが伝わってきた。正直、サッカーの質や内容は満足いくものではないけど、プロの世界は結果が全て。勝ったという事実はやはり大きいよ。
以前から言っているように、ペトロビッチ監督が目指すスタイルは日本人に合っていると思う。だが、浦和で指揮を執って6年目。さすがに他のチームからも研究され「浦和の負かし方」も知られるようになってきた。同じスタイルの広島が今季不振というのも案外、無関係ではないのでは。
近年の浦和は安定した戦い方をしてきた半面、相手の研究を上回るような対策には少々甘さがあったと思う。それは監督の戦術や戦略だけでなく、フロントの補強にも表れていた。当然、今回の騒動は強化部門の責任も大きいし、そこをもっと追及すべきだろう。監督を支えるという声明を出した以上は、ある程度資金を投入して効果的な補強もしないといけない。
同じ旧ユーゴスラビア出身で日本代表のハリルホジッチ監督が掲げるサッカーよりは、ペトロビッチ監督のスタイルの方が世界に通用する可能性は高い。だからこそ、まだ浦和でやるべきことはあるだろうし、アジアチャンピオンズリーグ制覇という目標もある。22日の首位C大阪戦が大きなヤマだろうが、しっかり立て直してくれることを期待したい。
☆武田修宏:たけだ のぶひろ=1967年5月10日生まれ。静岡県出身。幼少期から「天才少年」と呼ばれたストライカー。名門・清水東(静岡)から1986年に読売クラブ(現東京V)入り。ルーキーながら11得点を挙げ、リーグVに貢献し、MVPにも選出された。Jリーグ発足後はV川崎や磐田、京都、千葉などでプレー。2000年には南米パラグアイのルケーニョに移籍。2001年に東京Vに復帰し、同シーズンで現役引退した。Jリーグ通算は94得点。JSL時代も含めれば152得点を挙げた。1987年に日本代表に選出。1993年米国W杯アジア最終予選でドーハの悲劇を経験した。
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