【前園真聖 ゾノの焦点!】欧州クラブ所属の日本代表イレブンが新シーズンに向けて動きだしました。今季終了後にロシアW杯を控える大事な1年になりますが、中でも5日から宮崎県内で本格始動した日本代表MF香川真司(28=ドルトムント)に注目してます。

 昨季のドイツでは不振と右足首の負傷に加えて、若手優先の起用方針もあって、なかなか出番を得られませんでした。後半戦に入り復調。出場機会も増えてまずまずのパフォーマンスを見せましたが、かつて欧州を驚かせたようなプレーを発揮できたわけではありません。

 ドイツに移籍した2010年当時、パスを受けて一瞬で前を向くと、切れ味鋭いドリブルで切り込み、幾度となく好機を演出。ドルトムントのリーグ2連覇は香川の活躍があったからこそでしょう。しかし12年にマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)へ移籍して以来、現在まで輝きは戻っていません。

 もちろんチーム戦術の変更やクラブの事情もあったと思いますが、香川はまだ28歳。肉体的、精神的に衰えが出る年齢ではありません。きっかけさえつかめれば、移籍当時のパフォーマンスを取り戻せます。今季はアグレッシブにトライし「完全復活」をテーマに臨まないといけません。

 幸いにも今季はJリーグでプレー経験のあるオランダ人のピーター・ボス氏(53)が指揮官に就任します。持ち味を十二分に発揮できる環境が整いました。再び世界を驚かせるパフォーマンスを見せてほしいですね。

(元日本代表MF)