Jリーグは27日、中西大介常務理事(51)がパワーハラスメント及びセクシュアルハラスメントを行ったため辞任したと発表した。

 中西常務理事は、2016年にJリーグの女性職員に対して業務時間中に高頻度で業務に関係ない電話をかけ、好意を抱いていることをうかがえる内容のメールも送信。さらに映画、美術館、コンサート、食事にも誘い、実際に行っていた。また、15年から16年にかけて一般的にセクハラと受け取れる言動があった。

 約2週間前にJリーグ内のハラスメントに関するホットラインに職員から通報があり、一連の行為が発覚。被害を受けた職員は複数に上り、弁護士による双方への聴取もすでに行われている。

 Jリーグで“ナンバー3”にあたる常務理事の不祥事に、村井満チェアマン(57)は「ファン、サポーターの皆様、クラブ関係者、メディアや、数多くの関係者の方々に大変不快な思いをさせ、大変申し訳ありませんでした」と深々と頭を下げて謝罪した。村井チェアマンは「私の管理責任も問われる」として役員報酬を3か月間10%カットすることも決まった。

 今季のJリーグでは前代未聞の騒動が相次いで起きている。4月16日にJ1G大阪のサポーターがC大阪戦でナチス親衛隊(SS)を連想させる旗を掲出したほか、同29日にはJ2徳島のDF馬渡和彰(26)が千葉戦でボールボーイを小突き、試合後に徳島サポーターが別のボールボーイに液体をかける事件が発生。さらにJ1浦和のDF森脇良太(31)が5月4日の鹿島戦で相手選手に対して「くせえんだよ」と侮辱発言をした。

 Jリーグはその森脇に2試合出場停止の“厳罰”を科し、風紀の引き締めに躍起となったはずだが…。引き締める側が問題を起こしていたとあっては、被るダメージは想像以上に大きい。Jリーグは立ち直れるのか。