【前園真聖 ゾノの焦点!】敵地でドローだったW杯アジア最終予選イラク戦で日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督(65)の方針に、いくつかの疑問が残りました。

 通常は右サイドのFW久保裕也(23=ヘント)を左で起用し、FW原口元気(26=ヘルタ)を左サイドからMFに変更。活動期間の短い日本代表では調整不足は避けられないですし、大事なW杯予選で“ぶっつけ本番”とはいかがなものでしょうか。それに好調のFW乾貴士(29=エイバル)を起用しなかったのも不可解でした。

 中でも、先発したFW本田圭佑(31=ACミラン)の起用法にはクビをひねりました。7日のシリア戦では確かに存在感を示しましたが、あくまでインサイドハーフとしてです。それなのにイラク戦では右サイド起用。その結果、久保のポジションを変更することになり、ピッチで混乱が生じていました。

 しかも、本田の調子は悪くなかったとはいえ、好調だったときのパフォーマンスには程遠い出来。MF起用ならばまだ理解できますが、今季ゴールを量産した久保の定位置を変更してまで本田を使う意味はあったのでしょうか。そこは恐らく代表選手たちも疑問に感じていると思います。

 次戦は8月31日のオーストラリア戦。欧州組はオフ明けでコンディションをどこまで上げられるのか。イラク戦のような場当たり的な起用法ではなく、しっかりと体調を見極めて選手を選んでほしいですね。(元日本代表MF)