ハリルジャパンで“守護神サバイバル”が勃発した。3月のUAE戦で好守を連発したGK川島永嗣(34=メス)が定位置争いで一歩リードしている。しかし川島は「ここから競争が始まる」とポジションが安泰とは思っていない。改めて気を引き締めたのは、リオデジャネイロ五輪代表で初招集されたGK中村航輔(22=柏)の存在にある。

 中村はJ1で首位に立つ柏の正GKとしてチームをけん引。4日の浦和戦でもスーパーセーブを連発しリーグ戦8連勝へと導いた。今季の活躍ぶりにハリルホジッチ監督も「ここ最近素晴らしいクオリティーを見せている。柏(の躍進)は彼のパフォーマンスも大きいのでは」と絶賛するほどだ。

 川島も「中村(のプレー)は何回か見たことがある。五輪でも頑張っていた。タレントのあるGK」と底知れない潜在能力を絶賛した上で、守護神の座を脅かす強敵になると感じている。さらに「GK東口(順昭=31、G大阪)も高いパフォーマンスを保っている。難しい。刺激になる」。ハイレベルな三つどもえの戦いになっているのだ。

 A代表での初練習を終えた中村は「しっかりやっていきたい。いつも通り結果を求めていく」と鋭い視線で決意を語ったが、今回、代表から落選したGK西川周作(30=浦和)も含め、ロシアW杯に向けた日本代表の守護神争いの火ぶたが切られた。