崖っ縁に立たされた日本のエースが“怪気炎”を上げた。キリンチャレンジカップ・シリア戦(7日、味スタ)とロシアW杯アジア最終予選イラク戦(13日、テヘラン)に臨む日本代表の欧州組合宿(千葉)が4日に最終日を迎えた。いよいよ決戦モードに突入する中、ハリルジャパンで存在感が薄れていたFW本田圭佑(30=ACミラン)が自信満々の発言を連発。オレ様節が復活した理由とは――。

 欧州組合宿を打ち上げた本田は充実した表情で語り出した。「僕自身も(FW久保)裕也(23=ヘント)にポジションを奪われたりという真っただ中にいる。この状況を非常にワクワクしながら、僕が最初に代表に来た感覚にまた戻れている。チャレンジャー精神を持って臨んでいきたい」と自信満々にレギュラー再奪取を誓った。

 今季イタリアリーグで出場機会を失った本田はリーグ戦出場わずか8試合で1得点。失意のままACミランからの退団を表明した。日本代表でも右サイドのポジションを奪われて以降、落選の可能性も指摘されている。最近はビッグマウスも鳴りを潜めていたが、大一番を前に“絶口調”。なぜここまで上機嫌なのか。

 その理由の一つはバヒド・ハリルホジッチ監督(65)からの高評価にある。5月21日に今季初のFK弾を決めたことに指揮官は「いつも圭佑を信頼して間違っていなかった。最近は本当にエクセレント」とし、合宿で体調万全の本田について「トレーニングをすごく厳しくやっていた」と絶賛。“上司”から褒められて、復権への手応えをつかんだわけだ。

 またピッチ外の状況も関係する。今後の去就は不透明だが、J1クラブや米国、中国に加えて欧州でもイングランドやスペインのクラブもオファーを検討中で、トルコの強豪ガラタサライも獲得に乗り出したと現地メディアで報じられた。意外なモテモテぶりに「僕が出した決断を、ほどほどに期待しながら見てほしい」と余裕たっぷりにコメントした。

 さらに3日(日本時間4日)に欧州チャンピオンズリーグ(CL)で優勝したレアル・マドリード(スペイン)のFWクリスチアーノ・ロナウド(32)が2得点する活躍に「彼を知っている知人からはあまり才能に優れた選手ではなく、ゴールに対して貪欲にトレーニングし続けると(聞いた)。尊敬に値するし、見習わないといけない」と触発されたという。

 日本代表は5日から国内組が加わって本格始動するが“復調”したエースは、再び定位置を確保できるだろうか。