通信販売大手「ジャパネットたかた」の創業者で、J2長崎の社長に就任した高田明氏(68)が16日、都内のJFAハウスで開催されたJ2実行委員会に初めて出席した。約2時間の会議を終えた高田社長は、経営危機に瀕している長崎について「夢を実現できるチームにしたい。“チェンジ”というイノベーションを起こせたら」と改革に強い意欲を見せた。特に力を入れようとしているのがスタジアムのボールパーク化だ。

「来た方がサッカーを見るだけじゃなく、試合の前や終わった後も1時間くらいは楽しむ。5時間過ごしても楽しいというスタジアムにしたい。メジャーリーグを見ていてもそう感じるので。そういう思いでいる」と熱弁を振るった。テーマパークのように老若男女が楽しめる米大リーグの球場を参考にしながら、スタジアム改革を進めていく考えだ。そのために「アウェーはたくさんあるので、見られるところは見たい」と、まずは可能な限り全国のスタジアムを行脚する。

 名物社長がJリーグに新風を吹き込みそうだが、お茶の間でもおなじみの超有名企業の“参戦”にライバルたちは早くも戦々恐々としている。実行委員を務める某Jクラブ幹部は「J2は一人良い外国人がいるだけで全然違う。(他のチームは)ヤバイかもしれないね」と警戒を強める。

 J2は経営規模の小さいクラブが多いなか、同社が豊富な資金力で巨大補強を敢行する可能性も。高田社長は「わくわくする選手を育てていかなきゃいけない」と生え抜きスターの育成に力を注ぐ方針を示したが、今後の補強次第では現在9位につけるチームを一気に躍進させるかもしれない。