日本代表の10番に新たな移籍先が浮上だ。ドイツ1部ドルトムントの日本代表MF香川真司(28)は13日に1―1で引き分けたアウクスブルク戦にフル出場し、敗戦を免れる同点ゴールをアシストした。とはいえ来季の去就は不透明。トーマス・トゥヘル監督(43)の信頼を得られていないため今夏の退団もささやかれる。スペイン移籍の待望論も起きる中、フランスリーグから熱視線が注がれた――。

 リーグ戦で2試合ぶりに先発出場した香川は前半32分にFWピエールエメリック・オバメヤン(27)の同点弾をアシスト。地元紙はこぞって高評価を与え、久しぶりに存在感をアピールした。

 それでも現状ではトゥヘル監督からの信頼を得るには至っていない。契約は2018年夏までのため、ドルトムント側は契約延長のオファーを出す意向だ。しかし香川は「(シーズンが)終わってからという考えが強い」と含みを持たせるなど、今夏退団の可能性はくすぶったままだ。

 すでに退団の場合にはそのプレースタイルからスペイン移籍を待望する声も上がる一方で、有力候補が浮上してきた。Jクラブ関係者は「フランスでは香川の評価が高いし、以前からいくつかのクラブが関心を持っていると聞く。フランスなら強豪でも(移籍が)実現する可能性があるのでは」と指摘する。

 フランスでは日本代表でチームメートのDF酒井宏樹(27)が名門マルセイユでレギュラーとして不動の地位を築いている。かつては元日本代表MF松井大輔(36=磐田)が活躍したこともあり、日本人選手に対する評価は高まっており、他の欧州主要リーグと比べると、順応しやすい国でもある。

 また、日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(65)は選手、監督として長年フランスのクラブに在籍し豊富なネットワークを誇る。かねて代表選手の移籍に関して“介入”に積極的で、一昨年に浪人中のGK川島永嗣(34)が相談を持ちかけて、その後に現在所属するメスに決まった経緯もある。

 香川側は欧州チャンピオンズリーグ(CL)の出場権を重視しているため移籍候補は限定されるが、今季の同国1部で首位を快走しCL4強入りしたモナコのレオナルド・ジャルディン監督(42)が香川のテクニックを高く評価しているとの情報もある。また2位のパリ・サンジェルマンはハリルホジッチ監督の古巣だ。来季のCL出場権こそないものの、レンヌはドルトムントと蜜月関係で両クラブの主導で移籍が成立する可能性も捨てきれないという。

 来季に向け、香川サイドはトゥヘル監督の去就や新チーム編成の状況を慎重に見極めている模様だが、果たして香川はどんな結論を下すのか。