【武田修宏の直言!!】4月29日のJ2千葉戦で徳島のDF馬渡和彰(25)がボールボーイの中学生を小突いて一発退場となったのは、大きな問題となったね。その試合を会場で見ていたけど、どんな場面であっても手を出すのはいけないことだし、その後に徳島のサポーターが別のボールボーイに液体をかけたのも絶対にあってはならないことでしょう。後日、馬渡も当該サポーターも処分を受けたけど、それも当然だと思うよ。

 ただ、試合後に両クラブ関係者に話を聞くと「退場ではなく警告でもよかったのでは」という声も聞かれた。馬渡の行動についても報道では「小突いた」との表現だったが、決して突き飛ばしたわけではなかったし、レッドカードを出した判定がスタジアムに大荒れの雰囲気をつくり出してしまったからね。

 そもそも試合をコントロールできなかった主審に問題はないのかな? 試合を遅延しかねないような行為をしていたボールボーイに対しても事前に指導するべきだったよね。選手の行為を擁護するわけではないけど、いつも「悪いのは選手」という風潮もどうなんだろうと思うよ。

 この問題で感じているのは、選手はミスをすれば重い処分をされて生活にも影響が出るけど、審判は失敗しても、責任を取らない(※実際は研修や割り当て停止などがある)。プロサッカーができて20年以上がたち、そろそろレフェリーも独立して完全プロ化すべきじゃないかな。日本サッカー協会にはぜひ検討してほしいね。

☆武田修宏:たけだ のぶひろ=1967年5月10日生まれ。静岡県出身。幼少期から「天才少年」と呼ばれたストライカー。名門・清水東(静岡)から86年に読売クラブ(現東京V)入り。ルーキーながら11得点を挙げ、リーグVに貢献し、MVPにも選出された。Jリーグ発足後はV川崎や磐田、京都、千葉などでプレー。00年には南米パラグアイのルケーニョに移籍。01年に東京Vに復帰し、同シーズンで現役引退した。Jリーグ通算は94得点。JSL時代も含めれば152得点を挙げた。87年に日本代表に選出。93年米国W杯アジア最終予選でドーハの悲劇を経験した。

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