FC東京の元日本代表FW大久保嘉人が8日、夏場に向けチームスタイル変更を緊急提言した。

 ベテランFWは7日の仙台戦で移籍後初のマルチ得点。リーグ戦3連勝の立役者となり、チームを首位鹿島と勝ち点2差の4位に押し上げた。しかし、このまま優勝戦線に残っていけるとは思っていない。今後重要視される夏場対策への懸念があるからだ。

「常に力が入っている感じ。みんな100%でダッシュをやっているから夏場になったら持たないんじゃないかな。(前に)行かないでいいときはボールを回して、スイッチが入ったときにみんなが行けばいい。そこは(FC東京の篠田善之)監督も言っていた」

 2013年から4年間在籍した川崎で年間を通じて安定して得点を挙げられたのは、チーム全体でメリハリのある戦い方ができたから。FC東京は川崎以上に攻守でタレント揃いといわれるだけに、大久保は「それを身につければ今までになかった(FC)東京になれる」と変身後の飛躍を思い描いている。

 夏場が鬼門と化してしまえば、タイトルは手にできない。昨季は7月2日開幕の第2ステージ初戦から1勝4敗と出遅れ、当時の城福浩監督(56)が解任される事態に発展。その後は盛り返したものの、年間9位止まりだった。同じ失敗を繰り返すわけにはいかない今季は、大久保の言葉の重みが増しそうだ。