今季限りで退団が確実な日本代表FW本田圭佑(30=ACミラン)の獲得に乗り出しているJ1クラブ幹部は7日までに、国内一流企業とチームスポンサー契約を締結する方針を明かした。この資金を使ってキング・カズことFW三浦知良(50=J2横浜FC)が全盛期に記録したJクラブ所属日本人の最高額となる年俸2億4000万円超を本田サイドに提示するという。

 今季限りでイタリア1部リーグのACミラン退団が決定的な本田は、契約満了で移籍金が発生しないため、国内外のクラブで争奪戦に発展することが確実な情勢。すでに複数の欧州クラブとJ1クラブが今夏の獲得に向けて動きだした。

 そんな中、本田サイドと接触したJ1クラブ幹部は、獲得実現に向け“H資金”を確保したという。「本田の獲得が決まれば、○○(某有名メーカー)さんがチームスポンサーに付いてくれる予定。(シーズン中で)資金がないから、そこはスポンサーにお願いするしかない。裏付けがないと(獲得に)動けないわけだし、ちゃんと考えている」と明かした。

 移籍金がかからないとはいえ、本田は税抜きで推定年俸250万ユーロ(約3億円)、実質6億円のサラリーを受け取っている。しかし再契約に向けては現在のパフォーマンスが低迷していることや一般的に加速的な成長が見込めなくなる30歳を超えたため、大幅な年俸ダウンは避けられない見通しだ。

 ただ、欧州ビッグクラブで10番を背負った“日本のエース”を迎えるには、それにふさわしい金額が必要になる。同幹部は「条件面? 本田サイドにはまだ提示していない。いま(適正価格などを)欧州に人を派遣して調査しているところ」と検討段階として明言を避けたものの「2億円以上? それなりの金額になるだろう」と話した。

 これまでJクラブ所属の日本人選手の最高年俸は1998年までV川崎(現J2東京V)でプレーしたカズこと元日本代表FW三浦知良の推定2億4000万円。本田の実績を考慮すれば、カズ以上となる過去最高額のサラリーを準備するのは当然と言えるだろう。

 一方、今後の見通しについて、同幹部は「中国には行かないようだけど、欧州クラブとの争奪戦になるかもしれない」と予測。今後も獲得レースに参戦するクラブが増えるのは確実で、他クラブとの交渉次第では年俸が高騰する可能性もあって「資金力のあるクラブが出てくるとやっかいだな」とこぼした。

 欧州はまだシーズン中のため、本田の最終的な決断はオフになる見込み。同幹部は「今は待ちの状態。ここからどうなっていくのか。しっかりと見極めていきたい」と語り、ビッグネーム獲得に並々ならぬ意欲を示していた。