J1川崎は5日、新潟戦(等々力)に3―0で快勝し、リーグ戦5試合ぶりの勝利を飾った。日本サッカー界を揺るがしている騒動の影響はみじんも感じさせなかった。

 韓国で行われたアジアチャンピオンズリーグ(ACL)1次リーグ水原戦(4月25日)でサポーターが旭日旗を掲げたことで、アジアサッカー連盟(AFC)から4日に処分を下されたばかり。執行猶予1年付きでAFC主催試合でのホーム戦1試合を無観客、罰金1万5000ドル(約170万円)という内容は大きな波紋を呼んだ。

 処分発表直後の試合だったが、今季新加入のMF阿部浩之(27)が1得点2アシストと3得点全てに絡む活躍を見せるなどイレブンは躍動。勝てばACL決勝トーナメント進出が決まるイースタン(香港)との1次リーグ最終戦(9日、等々力)に向けて「勝ったら(1次リーグ)突破なので絶対に勝ちたい」と意気込んだ。

 そんな中、今回の処分を巡って不穏な情報も浮上。水原サイドが、川崎サポーターが旭日旗を掲げたことに乗じて、川崎をACL1次リーグ敗退に追い込もうとしたというのだ。あるJクラブ関係者は「結果的には成功しなかったが、水原側は、川崎の勝ち点没収などの処分を狙って事を大きくしようとしたのではないか」と推測する。

 真偽のほどは定かではないが、処分を求める過程で水原サイドがAFCにキナくさい“働きかけ”をしていてもおかしくはない。結果的に勝ち点没収などの処分には至らなかったものの、どこに落とし穴が待っているのかわからない。ACL制覇に向けて、川崎はまだまだ気の抜けない戦いを強いられそうだ。