【前園真聖 ゾノの焦点!】J3のFC東京U―23に所属するFW久保建英(15)が、15日のC大阪U―23戦で待望のJリーグ初ゴールを決めたが、久保らしいJ初ゴールでした。ペナルティーエリアの狭い局面で角度のない場所から左足で決めました。もともとバルセロナの育成組織に所属していたのでスペイン仕込みというのか、独特のリズムや間合いが印象的なパフォーマンスでした。

 すでにテクニックはプロ選手に匹敵するものを持っています。J3でプレーしているように同年代では飛び抜けた存在なのは明らかで、年上の選手やプロに交じって試合やトレーニングができる環境は、さらに成長していくために最適な舞台と言えるのではないでしょうか。

 逆に心配されるのは周囲の過剰な反応です。久保がプロの世界でも活躍すれば、どうしてもファンやメディアは大騒ぎしがちですし、それが彼に対するプレッシャーになりかねません。今後もしっかりと成長してもらうためにも、ときに静観するという姿勢も大事ではないでしょうか。

 J3で結果を出し続ければ、次はJ1参戦への期待が高まるはずです。しかし久保はまだ15歳。体ができていないのでプロ選手とのフィジカル差は大きいものがあります。そこはFC東京のスタッフも慎重に見極めています。久保の才能を潰さないように見守りたいですね。(元日本代表MF)