日本サッカー協会が30日、キリンチャレンジカップのコスタリカ戦(4月9日、熊本)に臨むなでしこジャパンのメンバー23人を発表した。

 昨年4月の就任から1年近くたってようやく迎える国内初陣。注目の一戦に向けて、高倉麻子監督(48=写真)は独自色を前面に打ち出してきた。まずは異例の“サプライズ抜てき”だ。一気に4人のA代表初招集に踏み切ったが、驚くべきはその顔ぶれ。なでしこリーグ2部の愛媛からFW大矢歩(22)とFW上野真実(20)のストライカーコンビを選出した。

「大矢は個で突破できる珍しい選手。外国人にも当たり負けしない。上野は体も大きく、難しいシュートも決める」と攻撃力アップの切り札として大きな期待を寄せる。

 さらにDF石井咲希(21=京都)は3部にあたるチャレンジリーグからの大胆登用。「育成からずっと見てきた。非常にスピードがある。思い切って試したい」と指揮官は“秘蔵っ子”を満を持してテストする構えだ。

 多くの入れ替えがある一方でブレない“軸”も見せる。アルガルベカップに続き、日テレから大量7人を招集。DF有吉佐織(29)が右膝前十字靱帯損傷の重傷を負ってメンバーから外れたが、MF隅田凜(21)を初選出した。リーグ2連覇中の日テレ勢に対する信頼の高さを鮮明にした。

 コスタリカ戦は昨年4月に発生した熊本地震の復興支援試合でもあり「失敗を恐れず、勇気のあるプレーを見せたい」と意気込む指揮官。2019年フランスW杯、20年東京五輪へ向けて“高倉ジャパン”をアピールする一戦となりそうだ。