昨夏のリオデジャネイロ五輪サッカー男子代表監督で日本代表の手倉森誠コーチ(49)が、ハリルジャパンが臨んだW杯アジア最終予選の合宿中にリオ五輪メンバーによる“決起集会”を開催していたことがわかった。

 手倉森コーチはUAE戦(23日)後、クラブの事情で泣く泣くリオ五輪を辞退したFW久保裕也(23=ヘント)をはじめ、五輪本大会メンバーのFW浅野拓磨(22=シュツットガルト)、DF植田直通(22=鹿島)、リオ五輪キャプテンのMF遠藤航(24=浦和)を緊急招集した。

 参加者だった浅野は29日、ドイツに向けて出発する羽田空港で取材に応じ「僕らの世代がもっとやらないといけないとか、この中(A代表)でもやっていける能力があると(手倉森氏は)言ってくれた。(国内組の2人には)海外に行くチャンスがあれば、挑戦するのも一つの方法だと言っていた」と語った。

 日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(64)が“欧州組重視”の姿勢を貫いている中、手倉森コーチは教え子となるリオ世代の選手を一人でも多くA代表に定着させるために猛ゲキを飛ばしたのだ。次世代の日本代表を担う若手選手の成長が、日本サッカー界の明るい未来を築き上げると信じて行動したようだ。

 その効果はてきめんだった。久保がUAE戦に続いてタイ戦(28日)でも1ゴール2アシストの大活躍。試合後に久保は「リオ世代がA代表に絡むのはいいこと」と力強く語っていた。今回は代表で出番のなかった浅野も「僕らの世代がもっともっとやっていかないといけない。久保君の活躍にも刺激を受けている」と今後の奮起を誓った。

 リオ世代では久保がいち早く代表定着に名乗りを上げたが、来年ロシアW杯に向け、どこまで勢力を拡大できるか。