【W杯アジア最終予選】ハリル監督 元エース本田に“最後通告”

2017年03月30日 11時00分

試合後に話し込むハリルホジッチ監督と本田(左)

 サッカー日本代表は28日、ロシアW杯アジア最終予選タイ戦(埼玉)に4―0と圧勝し、3連勝で勝ち点を16に伸ばした。勝ち点で並んだサウジアラビアを得失点差で上回り、B組首位に浮上。6大会連続のW杯出場へ大きく前進した。不振だったMF香川真司(28=ドルトムント)も復活弾を決め、チーム状態は上向きだが、バヒド・ハリルホジッチ監督(64)を悩ませるのはFW本田圭佑(30=ACミラン)の処遇だ。再起を期待する指揮官は、去就問題に直面する元エースに“最後通告”を突きつけた。

 ハリルホジッチ監督が「経験が必要になる」とし、強行招集した本田は2試合連続の途中出場となった。3―0と大勢が決した後半21分に投入されると、遠めの距離からシュートを放つなど積極的に攻撃を仕掛けた。ただクラブで試合に出ていない影響は明らかで、動きも重いまま、結果を残すことはできなかった。

 試合後にハリルホジッチ監督は本田を呼び寄せ、ピッチ上で緊急会談。指揮官は「『サポートしている』と言った。クラブでの状況を改善してほしい、長い時間試合に出てもらいたいと話した」と説明。かねてクラブで出場機会を得るために移籍を勧めてきたが、コンディションが上がらない状況に業を煮やし、改めて要求した格好だ。

 本田は所属するACミランで戦力外になっており、今年のプレー時間はわずか3分と出場機会を失っている。昨秋から米メジャーリーグサッカー(MLS)や中国リーグ行きが取りざたされたが、代表指揮官は「クオリティーを維持できない」とし、移籍先をレベルの高い欧州クラブに限定するよう求めていた。

 ところが、最近になってハリルホジッチ監督の考えに変化が出てきたようだ。MF清武弘嗣(27=C大阪)も2月にスペイン1部の強豪セビリアから日本に復帰。その際に「ハリルは弘嗣が日本に戻るか考えていた時に『プレーできるかどうかは重要だ。日本に戻ることも決して悪い選択ではない』と話したと聞く。どの選手に対しても、そういう考えを持っているのではないか」(清武の関係者)と、Jリーグ復帰を容認したという。

 以前は日本に出戻りしたMF山口蛍(26=C大阪)を痛烈に批判するなど代表選手の日本復帰には否定的だったが、現在は軟化しているというわけだ。とりわけ本田は年齢的にも30代を迎えてプレーの衰えも指摘されている。今季は試合に出ていないため強豪クラブからのオファーは期待できないのが現状だ。
 来年にはW杯本番を控えるだけに、確実に出場機会を確保する必要がある。Jクラブ幹部も「そのへんは気にしているのではないか」との見解を示す。本田の置かれた厳しい状況に苦慮するハリルホジッチ監督は、渋々ながらJリーグ復帰も選択肢にするよう“通告”したとみられる。
 指揮官は「いくつかのアイデアを与えたが、それは彼と私の話だ。プロジェクトを考えているけど、それが現実になってほしいと期待している」。欠かせない戦力と考えているものの、エースのパフォーマンスが上がらなければ、ハリルホジッチ監督のW杯構想にも狂いが生じかねない。果たして本田はどんな結論を下すのか。