ロシアW杯アジア最終予選タイ戦(28日、埼玉)に臨むハリルジャパンは26日、冒頭以外を非公開として戦術練習を実施した。絶好調のFW大迫勇也(26=ケルン)の離脱で1トップの代役に注目が集まる中、元日本代表FW武田修宏氏(49=本紙評論家)はバヒド・ハリルホジッチ監督(64)の起用法を分析した上で、適任者としてFW岡崎慎司(30=レスター)を“指名”。その理由とは――。

 負傷したMF今野泰幸(34=G大阪)とMF高萩洋次郎(30=FC東京)とともに、1トップを務めるFW大迫も左ヒザ打撲のため離脱した。攻撃の起点としてチームをけん引してきたストライカーの不在は、好調だったアタック陣のリズムを狂わせる可能性もある。

 FW原口元気(25=ヘルタ)は大迫とのコンビについて「非常に良かったんで」と話すように、タイ戦も大迫のようなボールキープができるタイプの起用が濃厚だ。現時点でFW本田圭佑(30=ACミラン)や追加招集したFW小林悠(29=川崎)の抜てきが有力視される。

 その1トップについて武田氏は「大迫のキープ力で攻撃の形ができてきていただけに離脱は残念。次のタイは高さもないし、ゴール前を固めてくるだろうからハリルホジッチ監督はボールを収められる本田を起用するんじゃないか。オーストラリア戦で1トップだったし、同じようにやるのなら本田でしょう」と指揮官の戦略を分析した。

 しかし本田の1トップ起用にはリスクもあるという。「攻撃の起点にはなれるかもしれないけど、クラブで試合に出ていないから、スタメン起用はしにくい。出たとしても空回りしかねないし、体力が持つのかな。これまでもハリルホジッチ監督のチーム戦術には合っていなかったから難しいかもしれないよ」

 昨年9月から始まったW杯アジア最終予選で本田は、ミランで試合に出ていない影響から本来のパフォーマンスを発揮できずにいる。大黒柱でありながら昨年11月のサウジアラビア戦から2戦連続の先発落ち。逆に本田がベンチに座ったチームは好ゲームを展開し、2連勝と明らかに存在感は薄れている。

 では代役には誰が適任なのか。武田氏は「コンディション重視なら岡崎でしょう。最近はレスターでも先発で出ているし欧州チャンピオンズリーグで8強になったチームのレギュラーだからね。ポストプレーだってできないわけじゃない。何よりも世界一厳しいリーグで戦っているんだから、使わない手はない」と語った。

 ホームでのタイ戦では勝利だけではなく、大量点も求められる。1トップを務めた大迫の離脱は痛手だが、ハリルホジッチ監督は攻撃の起点となるポジションに誰を起用するのか。