佐々木監督「サッカー界の赤ひげ先生」に

2013年01月01日 11時00分

 ――ベテランの澤をどう考えているのか

 佐々木:彼女のボールに対する嗅覚は、今の運動量さえ落ちなければ十分に世界と戦える。選手の寿命は人によって違うもので、いろいろな遺伝子をもらったり、練習の準備だったり、志だったり…。それに「まだ代表でやるんだ」という気持ちさえあれば、競争はできるし、次のW杯でも十分戦える。だから年齢では決めない。

 ――まだまだ澤に頼るところは大きい

 佐々木:私が期待しているのは、澤の姿勢を若い選手が見た時にどう思うかということ。それがなでしこジャパンの一番の相乗効果になる。それに澤と特別な話し合いをすることは考えていない。普通にやる。いろいろなところで会う機会があるので、“ジャブ”でも入れてみるよ。

 ――監督自身の夢は

 佐々木:最後の僕のあるべき姿はサッカー界の「赤ひげ」になること。地方に住居を移し、サッカー学校を運営したい。チームをつくり、選手としてあるべき姿などを指導したい。または指導に悩んでいるサッカー指導者を呼んで何がよくないのか教えるとかね。

 ――夢は尽きない

 佐々木:夢は他にもあるよ。将来的に、小さくてもいいから全国で女子のサッカー大会を開きたい。例えば、自分の名前を冠した「佐々木則夫カップ」みたいなものを。いずれにしても、僕はなでしこジャパンで得た経験を、サッカー界に還元することをしていきたいね。

【赤ひげ】江戸中期に実在した漢方医の小川笙船の愛称。小川をモデルとした小説「赤ひげ診療譚」(山本周五郎作)で有名となった。小説は黒沢明監督によって映画化され、三船敏郎が「赤ひげ」を演じ、大ヒットした。

☆ささき・のりお=1958年5月24日生まれ。山形・尾花沢市出身。名門帝京高(東京)から明治大。卒業後はNTT関東サッカー部で活躍。33歳で引退し、97年には当時JFLの大宮監督に就任した。2006年なでしこジャパンコーチ、07年12月には同監督に就任し、08年北京五輪で4位。11年ドイツ女子W杯で優勝し、同年度のFIFA女子世界年間最優秀監督賞を受賞。ロンドン五輪で銀メダル獲得。愛称はノリさん。家族は淳子夫人と1女。