カズ50歳ゴール 横浜FC「来季J1」の根拠

2017年03月13日 16時30分

 J2横浜FCのカズこと元日本代表FW三浦知良(50)が12日、開幕から3戦連続先発となったホームの群馬戦で今季初ゴールを決め、1―0の勝利の立役者となった。自身の持つJリーグ最年長得点記録を50歳14日に更新。世界中を沸かせる快挙を達成したが、今季のチームは決してカズばかりがクローズアップされる“話題先行”のチームではない。カズを再びJ1でプレーさせるという周囲の思い。その根拠となっているものとは――。

 

 カズの本能だった。スコアレスのまま迎えた前半40分、FWイバ(31)の放ったシュートを相手GKがはじき、そのこぼれ球にすかさず反応。角度のないところから左足でゴール右に突き刺し、昨年8月7日のC大阪戦以来の得点を記録した。サポーターに向かってカズダンスも披露。喜びを爆発させると、スタジアムのボルテージは最高潮に達した。

 

 後半13分に退いたとはいえ、動きは切れていた。「今日は特にいいフィーリングがあってゴールを取れる予感もしていた。今日は(コースも)見えていた」と好調を確信していたからこそ奪えたゴールだった。

 

 後輩の活躍にも刺激を受けた。「俊輔も取ったし、香川も頑張ったみたいだし(得点を)取れたらいいなと思っていた」。11日、J1磐田のMF中村俊輔(38)が大宮戦で左足の直接FKを決め、ドルトムント(ドイツ)のMF香川真司(27)が、リーグ戦7試合ぶりの先発となったヘルタ戦でアシストを記録。しかもこの日は、東日本大震災があった3・11翌日とあって「それも心の中にあった。いいニュースを届けたかった」という気持ちも快挙を後押しした。

 

 50歳のFWが打ち立てた大記録は、国内のみならず世界中にも打電された。チームはカズの話題一色となっているが、開幕3戦で2勝1分けの3位と好発進。キャプテンのMF佐藤謙介(28)は決してフロックではないと胸を張る。

 

「今年は優勝を目標に掲げている。(プレシーズンの)ニューイヤーカップや練習試合からいい状態でできているので、多少のことでは崩れない自信もある」とJ1昇格を狙えるチームになっていることを強調する。

 

 近年のJ1自動昇格クラブ(2位以内)の傾向は、堅い守備と得点を取れるストライカーがいること。昨季J2優勝の札幌は、リーグ最少2位となる33失点の堅守と19得点のFW都倉賢(30)が原動力となった。今季の横浜FCも昨季に18得点を挙げたイバの得点力に加え、守備力が大幅にアップ。3試合で失点はわずか1点で、2勝はともに1―0という勝負強さを発揮している。

 

 まだ序盤とはいえ、中田仁司監督(55)が「うちがJ1に上がったときに残留できるかを考えてやっている」と語るのもチームづくりに自信を持っているからこそ。実際、昨季はJ1昇格プレーオフ出場圏内まで勝ち点6差の8位と可能性を感じさせた。チームに芽生えつつあるスローガンは「カズさんをJ1の舞台へ」。51歳のJ1戦士誕生への期待は大きく膨らんでいる。