天才少年がエース襲名に向け急成長を見せている。U―20日本代表候補は8日、都内でFC東京と練習試合を行った。スペイン1部バルセロナの下部組織出身で注目のFW久保建英(15=FC東京U―18)は飛び級招集ながらゴールを決めるなど好パフォーマンスを披露。ピッチ内外で存在感が高まる一方だ。

 久保は1点リードの後半開始から登場。8分にFW小川航基(19=磐田)からパスを受け、U―20代表の初得点を決め、2―0の勝利に貢献した。内山篤監督(57)も「みんなご存じのようにシュートはうまい。予想通り」と絶賛。同代表には2度目の参加ながらも適応力の高さを見せた。

 実際、同僚選手も久保の“進化”を実感している。主将のMF坂井大将(20=大分)は「今回のほうがより力を発揮できている。練習を見ていてもシュートはすごくうまい」と決定力に舌を巻く。課題とされる体力面についても「建英はボールを持った時に体をうまく使う。技術でカバーしているし、全然気にならない」。最年少ながらもすでに互角以上の水準に達しているという。

 久保はプレー以外の面でも力を発揮する。「ピッチ外の能力もすごい。人懐っこいし、よくしゃべる。どんどんコミュニケーションを取ってくる」(坂井)と意外にもトーク力が抜群で社交性にたけているのだ。久保も「昨日、選手の皆さんと『こういう動きをしたい』と話した。それで何本も良いパスが来た」。宿舎での積極交流の効果は早速、連係面に表れた。

 このまま故障などがなければ、久保にとって初の世界大会となるU―20W杯(5月、韓国)メンバー入りは確実。天才少年は「監督からは『攻撃の時は自由にやっていい』と言われている。(W杯には)世界のトップレベルで活躍している選手もいないわけではない。挑戦したい」と高い意欲を語った。

 指揮官もすでにチームの中心選手と位置付けており、衝撃の世界デビューを果たす準備はもうできている。