リーグ開幕から連勝スタートでJ1首位に立つ横浜Mに日本代表FW斎藤学(26)の“ロス現象”が懸念されている。

 1月の欧州進出を望んでいた斎藤は思うようなオファーが届かずに移籍を断念。2月に横浜Mと再契約を結んだ。その際、J1磐田に移籍した元日本代表MF中村俊輔(38)が背負った10番とキャプテンを受け継ぎ、現在は獅子奮迅の活躍を見せる。開幕戦(2月25日)で優勝候補の浦和相手に2アシストで3―2の勝利に貢献すると、4日の札幌戦では全3得点に絡むプレーで猛アピールした。

 もはや「戦術=斎藤学」と言っても過言ではない状態で、横浜Mは優勝争いをリードしていきそうな勢い。だが一方で斎藤に関して、こんな指摘も飛び出している。ライバルのJクラブ関係者は「(斎藤は)まだ欧州移籍を諦めたわけではないようだし、この夏にいいオファーが届いたらどうするのか。そこらへんは(横浜Mが)気にしているみたい」と語る。

 自らが望んでエースナンバーを背負っただけに、現段階ではチームのためにプレーすることしか頭にない。しかし横浜Mはもちろん、日本代表でも大活躍すれば、斎藤を取り巻く環境は一変。そのとき、希望する欧州クラブから好条件のオファーが届けば、再び海外進出へと気持ちが傾きかねない。

 斎藤の活躍は喜ばしい限りだが、首脳陣やイレブンにとっては“もろ刃の剣”か。今夏の欧州移籍期限が過ぎるまで気の抜けない日々が続きそうだ。