遠藤のFKの才能見出した2人の名将

2013年01月02日 09時00分

 日本代表MF遠藤保仁(32=G大阪)が親善試合ブラジル戦(昨年10月16日、ポーランド)で国際Aマッチ123試合出場という日本新記録を達成した。2002年11月の日本代表デビューから約10年をかけて歴代トップとなったわけだが、長きにわたり、第一線で活躍してこられたのは「FK」という大きな武器があったからだ。そんなFKキッカーとしての才能を見いだしたのは2人の“名将”だった。

 


 司令塔タイプの遠藤は高い技術と卓越した戦術眼が持ち味。日本代表に初選出したジーコ監督(59)から現在のアルベルト・ザッケローニ監督(59)まで、4人の日本代表監督の下で10年間も主力として活動する唯一無二の選手だ。

 

 その遠藤の大きな武器といえばFK。正確無比なキックは日本代表の戦い方にも大きな影響を与え、現在でも左の本田圭佑(26=CSKAモスクワ)と右の遠藤によるFKは日本の二枚看板といわれる。そんなFKキッカーとしての才能を見いだしたのは“サッカーの神様”ジーコ監督だった。

 

 2003年2月に行われた日本代表合宿(宮崎)で、ジーコ監督は「練習を見ていてキッカーの可能性を感じたので」とFK練習を指示。遠藤は「京都時代に少し(FKを)蹴ったことがあるけど、自分でもうまいと思っていなかった」と突然の指名に戸惑いを隠せないでいたが、正確にコントロールされたキックは代表イレブンもうならせた。

 

 これに反応したのは当時G大阪を指揮していた西野朗氏(57)だった。代表で遠藤がFK練習に取り組んだ話を伝え聞くと「ヤット(遠藤の愛称)のFKか…」と考えもしなかったプランに同調。03年からG大阪でもFKキッカーを遠藤に一任することになった。

 

 日本代表とクラブでキッカーを務めるようになった遠藤は非凡な才能を発揮。日本ではMF中村俊輔(34=横浜M)と並ぶ屈指のキッカーとして存在感を示した。10年南アフリカW杯1次リーグのデンマーク戦で、FKで直接ゴールを叩き込むと、Jリーグでも11年6月に歴代1位(当時)となる通算16点目のFK直接ゴールを決めた。

 

 本来のパフォーマンスとともにFKキッカーの才能が開花したことで、日本に「遠藤の代わりができる選手はいない」と言われるようになった。現在も代表として活躍を続け、ついには元日本代表DF井原正巳(45=現柏コーチ)の持つAマッチ122試合を超える原動力となった。

 

 2人の指揮官によって大きな武器を手に入れた遠藤。14年ブラジルW杯出場も当確とされる中、次はAマッチ150試合出場を目指す。