J配信トラブルで囁かれる最悪シナリオ

2017年03月02日 11時00分

昨年9月「DAZN」のPRイベントには剛力彩芽(左)と松木安太郎も登場

 今季からJ1~J3の全試合を中継する有料動画サービス「DAZN(ダ・ゾーン)」の配信トラブルが波紋を広げている。2月25、26日のJ1、J2開幕節では映像が乱れたり、J1のG大阪―甲府戦の生中継が見られないなど大混乱となった。DAZN側は原因究明と再発防止に努めているが、サッカー界では“最悪のシナリオ”もささやかれる。

 

 JリーグはDAZNを運営する英国パフォーム・グループと10年間で約2100億円の超大型契約を締結。インターネット配信という新たな視聴形態として注目されたが、当初から通信環境によって映像が不安定になるなどの不安が取り沙汰された。そんな中でのトラブルにJクラブも懸念を深めている。

 

 あるJリーグ実行委員は「もともとネット配信では、競技普及やファン拡大につながらないとクラブ側から反対というか慎重な意見が多く出ていた。DAZNとの契約内容がある程度、固まってからも事務局は各クラブの理解を得るのにかなりの時間を要していたし、疑問視するクラブは多かった」と話す。

 

 実際、中継の不備でDAZNに対する視聴者の不満は高まっている。ルヴァンカップや天皇杯は見られずに衛星放送の「スカパー!」などとの契約が必要な上、サービス面も再放送(一定期間はあり)や録画ができないとの問題も指摘されていた。

 

 それでも事務局が主導し、DAZNと契約を結んだが、現状ではファン離れにつながる可能性さえあるという。

 

 同実行委員は今季開幕前の時点で「とても(契約目標とされる)20万件になんて届かない。テレビと違うから、なかなか一般の方に理解されていない。このままならば既存のファンがJリーグから離れていきかねないし、新規のファン獲得もまったく期待できない。結局はお金(目的)だったと言われかねない」と語っていた。

 

 さらには日本サッカーの先行きにも「契約だから10年間はクラブもリーグもお金をもらえるけど、それでいいのか。10年後に外資(DAZN)は失敗しても“日本ではうまくいきませんでしたが、きちんとお金は出しましたよ”と去っていけばいいが、注目されなくなったJリーグは資金もなくなってどうなってしまうのか」。

 

 今回のトラブルでDAZNの問題点が改めて浮き彫りになった格好だ。もちろん、新たな試みだけに初期段階で多少の失敗や批判はつきもの。今後、中継の不具合を改善し新たな市場を開拓していければ、日本サッカーの発展に貢献することになるだろう。

 

 だが、それができなければ…Jリーグは厳しい局面を迎えることになりそうだ。