【2017年Jリーグ大予想:瀬谷宏】昨季までのJ1を見ていて、不思議でならないことがあった。「なぜ、優勝を目指そうというクラブはレオシルバを獲りにいかないのか」。新潟で守備的MFとして活躍したレオシルバ(31)は、2014年に年間ベストイレブンに輝き、昨季も優秀選手賞に選出された実力者。戦術眼にたけ、中盤の底で相手ボールをカットする技術は一級品で、直接FKでゴールも奪える。

 この選手さえ引き抜ければ確実に優勝争いできるのは明白。だがこの3年、どのクラブも動かなかった。レオシルバがよほどのハッピーターン(新潟のスポンサーは亀田製菓)好きだったのかは分からないが…。

 そんな中、ようやく本気を出したのが昨季王者の鹿島。富士ゼロックススーパーカップとACL初戦で期待通りの活躍を見せ、MF柴崎岳(24)の穴を埋めて余りある補強となった。さらに神戸からFWペドロジュニオール(30)、元ブラジル代表FWレアンドロ(23)、韓国代表GK権純泰(32)まで獲得した。ただでさえ一番強いチームが一番いい補強をしたのだから、鹿島の1強で揺るぎない。

 鹿島が優勝できない事態があるとすれば、それはACLを初制覇する時だろう。ACLとのW制覇があってもおかしくないが、もしACLで早期敗退するようなことがあれば、リーグ連覇の可能性はさらに高まる。

 ダークホースと言っては失礼だが、今季の広島は怖い。昨季得点王のFWピーター・ウタカ(33)、大黒柱のFW佐藤寿人(34)が抜けたが、米MLSから獲得した元柏のFW工藤壮人(26)は広島のサッカーに合いそう。何よりACLがない分、リーグに集中できるのは強みだ。