“韓流旋風”を撃破して悲願の初Vだ。J1鳥栖からJ1FC東京に移籍して注目を集めるGK林彰洋(29)は、新天地で迎えるシーズンに向けて「新たなチャレンジ」と意気込んでいる。

 目標とするリーグ制覇へ、25日の開幕戦ではいきなり大きな試練が待ち受ける。昨季のJ1王者・鹿島とアウェーで激突。「技術を持っている選手が多い。前から行くところ、捨てどころがはっきりしているし、長短のパスをうまく使い分ける」と常勝軍団の強さを冷静に分析した上で警戒を強める。

 だが、キャンプを順調に消化したFC東京も完成度は高まった。「うちのDF陣はユニットを組めるし、個々の陣形を組めればどんな相手だろうとそんな簡単にはやられない」と自信を深めている。

 自らが守護神として統率する守備ラインには、日本代表でも同じ釜の飯を食ってきたDF森重真人(29)やDF丸山祐市(27)、オランダ1部フィテッセから復帰したDF太田宏介(29)ら心強い面々が顔を揃える。すでに連係面は息ピッタリで、鉄壁の堅守で王者を迎え撃つ構えだ。

 林が闘志を燃やす理由は他にもある。今季のJリーグは“韓流守護神”がトレンド。鹿島にGK権純泰(32)が加入し、C大阪のGK金鎮鉉(29)、神戸のGK金承奎(26)と合わせて現役の韓国代表3人全員が日本でプレー。J1だけで5クラブの正GKが韓国人選手だ。

 そうした状況に林は「負けたくない」とキッパリ。日本人GKの伸び悩みも韓流GK頼みの一因になっているが「(ジョアン)ミレッGKコーチ(56)からすごく多くのことを教えてもらえているし、彼の言うことをこなせば成長できる」とスペインの名指導者による日々の練習でレベルアップを実感している。ハリルジャパンでも常に候補入りする大型GKが、東京でさらに進化した姿を見せてくれそうだ。