1月の全国高校サッカー選手権を制した青森山田の黒田剛監督(46)が、同中高6年間指導した教え子で、J1鹿島からスペイン2部リーグのテネリフェに移籍したMF柴崎岳(24)の状況に不安を募らせている。

 待望の海外進出を果たした柴崎は、慣れない生活環境に適応できず、胃腸炎を患って体重6キロ減など、体調不良に陥った。クラブ側は不安障害が原因とし、専門医による治療を受けることになったと発表。現在は練習参加のメドも立っておらず、心身ともに立て直しを図っている最中だ。

 そんな柴崎について、日本高校選抜の指揮官として17日、横浜市内で会見した黒田監督は「いろんなことにストレスを感じるやつなので、そこで胃腸炎になったりしたのかもしれない」と表情を曇らせた。恩師としてサポートも検討するが「コンディションが悪いときにどうなのか。聞かれるのは嫌がるやつなので、今はそっとしておいた方がいいかな」と話した。

 教え子の性格を熟知するだけに、あえて連絡を取らない方が回復の近道という。黒田監督は「人を頼ることが好きではないので、自分の中で(新たな環境を)うまく消化できるようにしていってほしい」。最後に連絡を取ったのはテネリフェ移籍が決まったとき。黒田監督は、遠く離れた日本から柴崎の復活を願っている。