【スペイン・マドリード15日(日本時間16日)発】サッカーの欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦第1戦が行われ、レアル・マドリード(スペイン)はナポリ(イタリア)に3―1で先勝した。試合前からピッチ外ではナポリの英雄、ディエゴ・マラドーナ氏(56)が大暴れ。快勝した昨季王者も“主役”の座を完全に奪われる結果となった。

 愛するナポリの応援に駆け付けたマラドーナ氏だったが、トラブルメーカーぶりは相変わらずだった。マドリード入りした14日夜は、レストランに入る際に群がる報道陣に暴言を連発。そして試合当日15日朝には警察沙汰の事件を起こした。

 マラドーナ氏に同伴した恋人のロシオ・オリーバさんが「暴力をふるわれた」とホテルのフロントに電話で助けを求めた。慌てたホテル側は即座に警察に通報。警察がホテルに急行し、マラドーナ氏を2時間以上事情聴取する騒ぎとなった。にもかかわらず、オリーバさんが「大きな議論があっただけ」と話し、被害届を出さなかったことでマラドーナ氏はおとがめなし。自身のフェイスブックで「どうしてこんなマスコミのショーになっているのか。好きなように書けばいい」と嘆いたものの、スペインメディアは試合そっちのけでマラドーナ氏の動きを追い続けた。

 話題を持っていかれたレアルだったが、試合では王者の貫禄を示した。前半8分にGKの不用意なポジショニングの隙を突かれて先制を許したものの、10分後にFWカリム・ベンゼマ(29)のヘディング弾であっさり同点。後半4分には右サイドを突破したFWクリスチアーノ・ロナウド(32)の折り返しをMFトニ・クロース(27)が決めて逆転に成功すると、5分後にはDFカゼミロ(24)が豪快なドライブ弾をゴールに突き刺してダメ押しした。

 マラドーナ氏が観戦する前でナポリを粉砕したレアル。それでも試合後、スペインメディアはやはりマラドーナ氏の続報に終始していた…。