【フランス・パリ発】サッカーの欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦第1戦2試合が14日(日本時間15日)に行われ、優勝候補のバルセロナ(スペイン)が敵地でパリ・サンジェルマン(PSG=フランス)に0―4の惨敗を喫した。自慢の3トップが機能せず、守備が崩壊。8強入りは絶望的となった。

 誰がこんな結果を予想しただろうか。バルサ自慢の3トップが完全に沈黙。サバサバと引き揚げるFWリオネル・メッシ(29)、悔しさを押し殺しながらユニホーム交換に応じたFWルイス・スアレス(30)、顔面蒼白のFWネイマール(25)。世界を席巻するMSNトリオは枠内シュートを1本も打てずに、パルク・デ・プランスの熱狂にのみ込まれた。

 不穏なムードは試合前からあった。守備の要のDFハビエル・マスケラーノ(32)が故障で欠場。組織的な守備が機能せず、前線からのプレッシャーに耐え切れなかった。前半18分、ゴール前でFKを与え、MFアンヘル・ディマリア(29)に直接決められた。壁に入ったスアレスがMFアドリアン・ラビオ(21)のブロックでジャンプできず、その頭上を通されるというPSGの組織プレーだった。

 逆襲に転じた同40分、自陣でドリブル突破を図ったメッシがボールを奪われ、ショートカウンターを浴びるとFWユリアン・ドラクスラー(23)に追加点を許した。後半に入っても歯車はかみ合わず、ディマリアとFWエディンソン・カバーニ(30)に追加点を決められて万事休す。アウェーゴールも奪えないまま試合終了の笛を聞いた。

 逆転突破のためには第2戦で最低4点が必要。2000年以降、バルサが決勝T以降の第1戦で勝てずに第2戦で4得点以上奪って勝ち抜けたケースは4度あるが、第1戦の最大得点差は2点。第1戦でバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)に0―4で敗れた2012―13年シーズン準決勝は、ホームに戻った第2戦も0―3と完敗しており、その悪夢の再現が近づいている。

 試合後のルイスエンリケ監督(46)は「説明は簡単だ。彼らのほうが最初から上だった。我々の方が明白に下だった。責任は私にある」と怒り口調。パリの夜はバルサに大きな試練を与えた。