日本代表FW本田圭佑(30=ACミラン)のJリーグ復帰は果たして――。日本のエースは移籍を希望しながらも、冬の市場でイタリアに残留した。とはいえ今夏の移籍は確実で、米メジャーリーグサッカー(MLS)などに加え、本紙昨報通りJクラブが本田獲得レースに参戦する動きが出ている。気になるあのクラブはどう考えているのか?“本命”と“対抗”を直撃した。

 今冬の移籍市場では日本代表MF清武弘嗣(27)がスペイン1部の名門セビリアから古巣のC大阪に電撃復帰し、ファンを驚かせた。清武と同じようにクラブで出場機会を失っている本田も移籍を模索している。

 13日(日本時間14日)に行われたイタリア1部リーグ第24節でACミランは敵地でラツィオと1―1で引き分けた。本田はベンチ入りしたが、またも出場機会なし。同ポジションでビンチェンツォ・モンテッラ監督(42)の信頼を得ているFWスソが0―1で迎えた後半40分に同点ゴールを決め、本田の居場所は完全にない。契約満了となる今夏には移籍金が発生しないため、欧州クラブやMLSのほか、Jクラブも交えた争奪戦に発展しそうだ。

 本田が日本に復帰するとなれば、名前が真っ先に挙がるのがJ1神戸だ。親会社となるネット販売大手「楽天」の資金力をバックに、本田クラスの大物でも好条件をすぐにオファーできるのは強み。さらに2015年から神戸を率いるネルシーニョ監督(66)は名古屋時代に本田を見いだした指揮官という縁もある。

 では、神戸は動くのか。ネルシーニョ監督は13日、愛弟子の獲得に関して「それはノーコメントだね」と意味深な笑みを浮かべるのみだったが、田中健一社長(48)は「監督が必要とあればいくらでも取りに行く」と前向きな姿勢。要望があれば本田獲りに動く構えだ。「補強に関してはいろいろな話が入ってくるし、その中でいろいろな可能性を探っていく。(楽天会長の三木谷浩史)オーナーも本気で優勝を狙っている」とも語り、V奪取のために大物獲りを狙っていく。

 その神戸の対抗馬と目されるのがJ1鳥栖だ。有力スポンサーのゲームソフトメーカー「Cygames」は話題性のある選手獲得をクラブに要望し、豊富な資金力で日本代表DF森重真人(29=FC東京)の獲得に動いた。しかし大物選手の招聘には至っていない。マッシモ・フィッカデンティ監督(49)は「あと1~2人くらいの補強は考えている」と今後も継続して戦力を拡充する方針を明言。本田の獲得については「難しいね」と渋い表情を見せたが、否定はしなかった。

 欧州各国をはじめ米国や中国、中東各国のクラブが日本のエースに興味を示している中、Jクラブが争奪戦を勝ち抜くには周到な“準備”を進める必要がある。本田、そしてJクラブの動向からますます目が離せない。