J1横浜Mは15日、横浜市内で新体制発表会を行い、新加入選手9人らが出席した。オフに元日本代表MF中村俊輔(38)がJ1磐田に移籍するなど主力選手の流出が相次いだ。一般のファンも招待されたこの日のイベントでは大きな混乱はなかったものの、クラブの功労者に対して「冷たい」という横浜Mの“悪癖”が再びクローズアップされている。

 2010年のシーズン終盤にクラブの中心選手だったDF松田直樹さん(故人)に戦力外通告をした際も指摘されたが、今オフに起こった俊輔の移籍や、一時は年俸半減を提示した元日本代表DF中沢佑二(38)への対応で蒸し返された。

 ある在京Jクラブ関係者は「このオフにあった騒動で『やっぱり』と思った。以前から功労者に冷たいイメージはあった」。高校サッカーのある指導者も「大げさかもしれないけど、将来のことを考えると、安心して子供を任せられない」と不安を口にした。

 引退して指導者に転身した功労者に対してもしかり。井原正巳氏(49=J2福岡監督)や、三浦文丈氏(46=J1新潟監督)らが横浜Mで指導者になる気配はない。俊輔も「井原さん、文さんといった方が(横浜Mに)戻ってくることはなさそう」と古巣の状況を嘆いたほどだ。

 このままネガティブイメージを払拭できなければ、補強面でも悪影響が出かねない。クラブ側も事態を重く見て改善に着手。功労者への対応を見直したり、OBの登用も増やしたい方針だが…。果たして“体質改善”は成功するのか。