2017年の日本サッカー界で最大の関心事といえば、ロシアW杯をかけた日本代表の戦いだ。アジア最終予選は泣いても笑っても今年で勝負が決する。3月23日のアウェー・UAE戦から後半戦がスタートするが、ハリルジャパンを悩ませているのが深刻な得点力不足。バヒド・ハリルホジッチ監督(64)は現有戦力に満足しておらず、窮地に追い込まれれば“超サプライズ招集”もありそうだ。

 昨年9月から始まった最終予選で、ハリルジャパンは初戦のUAE戦で逆転負け。ホームでまさかの大失態を演じた。

 その後はなんとか勝ち点を積み重ねてW杯出場圏内のB組2位で前半戦を折り返したが、いずれの試合も苦戦続き。原因はいくつかあるなかで、特に深刻なのが得点力不足だ。格下相手にもゴールを稼げず、最終予選の5試合で平均得点は1・6にとどまっている。

 ハリルホジッチ監督はそんなFW陣に不満を抱いており、これまで代表でゴールを積み重ねてきたFW岡崎慎司(30=レスター)を「パフォーマンスが上がっていない」と断罪。同予選で4試合連続ゴール中のFW原口元気(25=ヘルタ)やFW大迫勇也(26=ケルン)ら新たなストライカーも台頭してきたが「大迫も一緒だ。(クラブでは)ボランチに下げられているし、(今季リーグ戦で)2点しか取っていない。元気はどうですか。まだ1点も取っていない」と、所属クラブでの不振から信頼を寄せるには至っていない。

 そのため正念場となる後半戦に向けて「いろんな選手にチャンスを与えているが、私が探している選手がまだ見つからない。得点を取れる人を本当に探したい」と本音を吐露。FWの新戦力発掘を最重要課題に挙げた。

 温めているプランが異例の飛び級抜てきだ。「U―20(代表)にも良いFWがいた。世界から要求されるFWをまずつくっていかないといけない」とハリルホジッチ監督。

 現時点では当然代表やクラブで実績のある選手を優先的に招集しているが、これからの最終予選で敗戦を喫することがあれば指揮官解任に発展する崖っ縁に追い込まれる。そうなれば、なりふり構わず“未知の大器”に飛びつく可能性がある。

“天才少年”FW久保建英(15=FC東京U―18)はさすがに時期尚早だが、高校ナンバーワンFWの岩崎悠人(18=京都橘)やU―20代表のエースFW小川航基(19=磐田)らは視察済みで今後リストアップされそうだ。日本の救世主となるヤングスターが現れるか。