サッカー「天皇杯」決勝は1日、大阪・吹田スタジアムで行われ、鹿島が延長戦の末に2―1で川崎に勝利して6大会ぶり5度目の優勝を飾り、Jクラブ最多を更新する国内19冠目のタイトルを獲得した。

 1―1のまま突入した延長前半4分、途中出場のMFファブリシオ(26)が、ペナルティーエリア内のこぼれ球に反応。右足でゴールに叩き込んで勝ち越しに成功した。その後は、うまく時間を使いながら、しっかり守備を固める鹿島の〝伝統芸〟を披露して川崎に得点を許さず、120分の激闘を制した。

 試合全体を見れば、両者一歩も譲らない好ゲームだったが、クラブの伝統に裏打ちされた勝ち方を知っていたのは鹿島だった。無冠の川崎とは経験値が違った。後半途中出場で決勝点に絡んだFW鈴木優磨(20)は「優勝するチームとしないチームの差がはっきり出たと思う。みんな、どの時間でどうすべきか共有できている」と胸を張った。

 昨年11月23日のチャンピオンシップ(CS)準決勝からここまで公式戦10試合で8勝2敗。リーグ年間勝ち点3位ながら年間王者となり、昨年12月のクラブW杯決勝は敗れたものの、レアル・マドリード(スペイン)と互角に渡り合った。この強さを今季も発揮し、国内3冠制覇、アジアチャンピオンズリーグ優勝を目指す。