元日本代表DF内田篤人(28=シャルケ)が21日、ドイツ1部リーグの中断期間を利用して帰国した。8日の欧州リーグ・ザルツブルク(オーストリア)戦で右ヒザ手術から約1年9か月ぶりに実戦復帰。それでも代表復帰には慎重な姿勢を見せた一方で、ノリノリだったのが親交の深いMF香川真司(27=ドルトムント)への“結婚サポート”。その裏には内田なりの深い思惑があった。

 ついに復帰を果たした内田は「またすぐにドイツに戻ってスペインで合宿がある。まずはそこでフルメニューをこなせるように。いきなりスタメンはないと分かっている」と自らの現状と今後を冷静に分析した。

 ロシアW杯アジア最終予選を戦う日本代表復帰への期待も高まっているが「まだ練習も全部できていないし、紅白戦も外れたりする状況なので代表のことはあんまり考えていない。まずは自分の体を良くしてチームの試合に出ないと呼んでもらえないし」と慎重な姿勢を崩さなかった。

 その一方で、ピッチ外でのサポートには意欲的だ。今回滞在中に3日間で4件の結婚式に出席する予定で周囲の結婚ラッシュを実感。「オレも乗り遅れなくてよかったよ。香川さんみたいに」と笑みを浮かべながら浮いた話がない後輩をチクリ。「このオフに真司の“アモーレ”でも探しますか」と独身貴族のために一肌脱ぐことを宣言した。

 どこまで本気かは分からないが、香川の現状を気にかけてのものだろう。年内最終戦(20日)のアウクスブルク戦こそ先発し同点アシストを記録したが、チームに故障者が続出し出番が回ってきただけ。日本代表でもMF清武弘嗣(27=セビリア)にレギュラーの座を奪われつつあり、香川はサッカー人生最大の窮地に立たされている。

 それでも日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督(64)が「日本に尽くしてきた選手を簡単に排除できない。先発できないから(代表を)サヨナラとはならない。チームがメンタル的に壊れる」とかねて語っているように、いまだ香川をチームの支柱として考えているのも事実だ。

 今後のチーム強化のためにはその力が必要不可欠。選手にとってプライベートの充実がパフォーマンスにも直結するものだけに、香川の“婚活”を支援し完全復活を手助けしようというわけだ。盟友の“アシスト”に香川は応えられるか。