明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップ決勝第2戦(埼スタ)は3日に行われ、2―1で浦和に逆転勝利した鹿島が2戦合計2―2として、アウェーゴールの差で7年ぶりの年間優勝を果たした。

 第1戦をホームで落とした鹿島は、故障から復帰したばかりの司令塔、MF柴崎岳(24)を先発で起用し反撃を試みる。
 序盤こそ浦和に押し込まれて先制を許すが、柴崎の落ち着いたボールさばきから徐々に攻撃のリズムをつくっていく。

 すると前半40分、右サイドでフリーでボールを受けたMF遠藤康(28)が逆サイドへクロスを上げる。FW金崎夢生(27)が待ってましたとばかりに飛び込み、豪快なダイビングヘッドを突き刺して同点に追いつく。

 造反騒動から“改心”したエースの一発をきっかけに鹿島は一気に勢いづくと、後半に入って攻勢に打って出る。

 それでもなかなかゴールを割れないとみるや、石井正忠監督(49)は同13分、同点弾をアシストした遠藤に代えて若手のFW鈴木優磨(20)を投入する大胆な策に出た。

 この采配がズバリ的中。同33分にスルーパスに反応した鈴木が持ち前のスピードで一気にゴール前へ抜け出すと、ペナルティーエリア内でDF槙野智章(29)に背後から倒されてPKを獲得。これを金崎がゴール左隅へ落ち着いて決めて逆転に成功した。

 終盤は浦和の猛攻にさらされるも、DF昌子源(23)を中心とした懸命の守備でリードを守りきり、2―1で試合終了のホイッスル。チャンピオンシップ準決勝の川崎戦でも起用がズバズバ的中した石井監督の“神采配”がまたも炸裂し、年間3位の鹿島が2戦合計2―2として、アウェーゴールの差で浦和を上回り“下克上”を完遂させた。

 鹿島は3連覇を果たした2009年以来7年ぶり、8度目の年間優勝を果たし、8日から開幕するクラブW杯への出場権を手にした。