サッカーのブラジル1部シャペコエンセの選手らが乗っていた旅客機がコロンビア・メデジン近郊で墜落し、71人が死亡した事故の波紋が広がっている。南米カップ決勝第1戦でナシオナル・メデジン(コロンビア)と対戦予定だった4万人収容のスタジアムに10万人を超えるファン・サポーターが集結し、イレブンら関係者を追悼した。

 J1神戸を指揮したカイオジュニオール監督と元Jリーガーの選手4人も犠牲となるなど、凄惨な事故となったが、ブラジル紙「グローボ」(電子版)によると、指揮官の息子、マテウスはパスポートを忘れたために、事故機への搭乗を取りやめていたという。第3GKのマルセロ・ボエク(32)は誕生日を祝うためチームとは別に出発することは許可されていた。

 また、墜落機と管制塔が交信した音声データが公開され、機長が「燃料不足」を指摘していたという。航空当局はすでにブラックボックスを回収し、事故原因を調べているが、地元メディアは経由地ボリビアで給油するプランだったものの、到着時刻が遅かったために、補給できなかったとも報じている。

 一方で、南米サッカー界では、チーム救済への動きも加速している。すでにシャペコエンセを南米カップ優勝とする案をはじめ、今後3年間はリーグ降格なしや、他クラブから選手を無償レンタルさせることなど、様々なプランが浮上。

 無所属の元ブラジル代表MFロナウジーニョ(36)の加入を求める声も高まっている。「グローボ」紙は「ロナウジーニョが来年シャペコでプレーするように、ファンたちがSNSでキャンペーンを展開」と伝えた。

 さらに元アルゼンチン代表10番のMFファン・ロマン・リケルメ氏(38)が現役復帰し、同クラブでのプレーを希望していると報じられるなど、各方面で支援の輪が広がりを見せている。