【JリーグCS】敵地で先勝の浦和 今度こそ解けるか“カズの呪縛”

2016年11月30日 16時30分

 Jリーグ年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)決勝の第1戦(29日、カシマ)、年間勝ち点1位の浦和は、同3位の鹿島に1―0で勝利。主将のMF阿部勇樹(35)が決めたPKの1点を守り切り、10年ぶりのリーグ制覇に王手をかけた。2006年に優勝して以降、V逸を繰り返してきた元凶といわれる“カズの呪縛”から、CS第2戦(12月3日、埼玉)でおさらばできるのか。

 

 試合を決めたのはキャプテンの一発だった。0―0で迎えた後半12分、ペナルティーエリア内でFW興梠慎三(30)が倒されて得たPKを阿部が落ち着いて決めて、浦和がアウェーで値千金の勝利を挙げた。

 

 ヒーローになったベテランMFは「勝ったのは良かったけど、まだ何も決まっていない。次の試合、勝ったほうが優勝と思ったほうがいい。1戦目に勝って有利とか言われるけど、最後まで全力で戦わないといけない」。笑みすら見せずに気を引き締めたのは、最後の最後まで勝敗がどちらに転ぶか分からない怖さを身をもって知っているからだ。

 

 苦い思い出の象徴は浦和移籍1年目の07年、リーグ最終節。すでにJ2降格が決まっていた横浜FCに引き分け以上で優勝が決まる一戦で、阿部は左サイドで元日本代表FW三浦知良(49)に抜かれると、そのまま絶妙なクロスを上げられてゴールを許して敗戦。2連覇となるリーグ優勝を逃した。その翌年から、好調なシーズンでも優勝から見放され、サッカー関係者の間では“カズの呪縛”といわれるようになった。

 

 しかし呪縛は、いつか解けるもの。今季は年間勝ち点1位に輝き、この日も勝利を挙げた。12月3日の第2戦では0―1で敗れても、年間勝ち点上位のため、10年ぶりのリーグ優勝が決まる。

 

 現在も横浜FCに所属する張本人のカズもこの日、「ついに“カズの呪縛”が解ける? 俺じゃなくて横浜FCのでしょ。それに(ゴールを決めたのではなく)クロスだしね。浦和の優勝が決まったら話をするよ」と、その瞬間を待ちわびている。

 

 近年は、あと一歩のところでリーグ優勝を逃してきた浦和イレブンも今年こそはの思いは強い。DF森脇良太(30)は07年当時、浦和所属ではなかったが「横浜FCのことは覚えている。『こんなふうに決まってしまうのかよ』と驚いた。僕らは(第2戦で)こういうようなことがないように頑張らないといけない」と気持ちを新たにした。

 

 第2戦は圧倒的に有利な状況のホームに鹿島を迎える。“カズの呪縛”とは言わせない戦いで、近づきつつある歓喜の瞬間を迎えたい。