【JリーグCS】川崎の敗因は大久保フライング移籍発表?

2016年11月24日 16時30分

放心状態の大久保

 Jリーグチャンピオンシップ(CS)準決勝が23日に行われ、年間勝ち点3位で第1ステージ(S)優勝の鹿島が同2位川崎を1―0で破り、浦和(同1位、第2S優勝)との決勝に進出した。引き分け以上で勝ち上がれた川崎だが、エースFW大久保嘉人(34)が不発でまさかの敗戦。リーグ戦終了後の退団表明がチームの最大の武器を奪う結果となった。

 

 試合終了と同時にピッチ上でうなだれた大久保は、涙を浮かべて落胆するしかなかった。すでにFC東京への移籍を明言しており「川崎の大久保」としてのリーグ戦は、CS準決勝敗退という不本意な結果で終わりを告げた。FW長谷川竜也(22)がケガで退いた前半途中から定位置のセンターFWでプレーしたが、シュートはわずか3本。昨季まで3年連続得点王に輝いた勝負強さを発揮できず、不発に終わった。試合後には、シーズン中から指摘し続けてきた問題点を敗因に挙げた。

 

「俺がFWになると(選手同士の距離が)遠くなる。それにみんな自信がないからボールしか動かせていない。それでは相手のディフェンスは崩れない。ボールが動いて間に選手が入ってこないと相手の守備は崩せない」

 

 だが、このエースの主張は他の選手には響かなかった。ある選手は「嘉人さんの言っていることも正しいけど、それだけじゃない」。安全なパス回しだけでは好機は生まれないのも確かだが、選手同士の共通認識にはならなかった。

 

 大久保が移籍を決断した背景には、こうした認識の差が埋まらないこともあった。だが一方では、CSを控えた今月7日に移籍先を公表したことに対する不信がチーム内にあったのも否めない。まだリーグ制覇の可能性がある状況下で、風間八宏監督(55)とともに今季限りでの退団を表明したのは異例。他のJクラブ関係者からも「まだ大事な試合があるのに、退団を公表することを許してしまうクラブにも問題がある。あれじゃチームは一丸になれない」と酷評されたほどだ。

 

 大一番を前に、サポーターを含めた「団結力」という最大の武器を失っていた川崎。クラブ史上最多の勝ち点72を奪った事実は消えないが、クラブ創設20周年に花を添えるタイトルはまたもお預けとなった。「最後までこのチームを変えられなかった。寂しいし、悔しい」と漏らした大久保の言葉もむなしく響くばかりだ。