サッカー日本代表はロシアW杯アジア最終予選サウジアラビア戦(15日、埼玉)に2―1で勝利し、W杯切符を占う重要な一戦を制した。

 先発出場したFW原口元気(25=ヘルタ)がまたまた大仕事だ。驚異的な運動量で左サイドから攻撃を仕掛け続け、サウジアラビア守備陣を翻弄。後半35分にはDF長友佑都(30=インテル)からの左クロスがMF香川真司(27=ドルトムント)を経由してゴール前の原口のもとに渡ると、落ち着いてゴール左隅に決め、貴重な追加点をもたらした。

 これでW杯アジア最終予選で4試合連続ゴール。FW三浦知良(49=横浜FC)とFW呂比須ワグナーを抜き、日本代表新記録となる快挙を達成した原口は「うれしいけど、ゴールはオマケみたいなもの。日本が勝てたことがよかった」と控えめに喜びをかみしめた。この勢いは紛れもなく本物。いまや日本のエースになりつつあるが、ストライカーとしての才能が開花するきっかけとなる出来事があった。2014年5月のこと、かつてイタリア代表のエースストライカーだったクリスチャン・ビエリ氏(43)が来日した。都内で開催されたイベントを原口は極秘で訪れ、ビエリ氏との初対面が実現。さらにその場で「試合に向けた練習をしっかり頑張れば、もっともっと成長していく」と激励されたのだ。

 ちょうどJ1浦和からヘルタ移籍が決まる直前で、目標にしていたブラジルW杯メンバーからも落選した時期。人生の転機に、世界屈指の点取り屋から大きな刺激を受けることができた。完全に覚醒した原口が、日本をW杯の舞台へ力強くけん引してくれそうだ。