国際親善試合オマーン戦(11日、カシマ)でベテラン陣を一掃か。日本代表は8日に茨城県内で非公開の戦術練習を実施した。ここで浮き彫りになったのが新戦力の大量抜てきだ。紅白戦の主力組には1トップにFW大迫勇也(26=ケルン)が入り、左サイドにFW斎藤学(26=横浜M)、センターバックにはDF丸山祐市(27=FC東京)らフレッシュな面々が起用された。
バヒド・ハリルホジッチ監督(64)は4日のメンバー発表会見で「私は次の準備をしている。若い選手は目上の選手に遠慮せずにもっとやってほしい。そういう雰囲気をつくりたい」と貴重なテストの場となる親善試合で若手を積極登用する方針を示していたが、その言葉通りに実行に移すつもりのようだ。
ただ、オマーン戦は単なるテストの場にとどまらない。この日、別メニュー調整だった主将のMF長谷部誠(32=Eフランクフルト)は危機感をにじませながら「新しい選手も入ってきて今度の試合はいろいろ試すこともできる。監督にサウジ戦でも『使いたい』と思わせることが競争にもなる。日本代表にとって本当に大きなこと」と語っていた。
オマーン戦ではクラブで出場機会のないFW本田圭佑(30=ACミラン)やMF清武弘嗣(26=セビリア)も先発する見込みだが、そこで精彩を欠いたパフォーマンスを見せれば、日本の命運を左右するロシアW杯アジア最終予選サウジアラビア戦(15日、埼玉)には起用しづらい。逆に新戦力が活躍すれば一気にベテラン勢をベンチに追いやることになる。
それを指揮官はハッキリと視野に入れているのだ。本田はポジション争いについては「最後まで監督が悩んで決めると思う」と話していたが、ロシアW杯に向けた世代交代も含めて、今後の日本を占う重要な一戦となりそうだ。