【W杯アジア最終予選】計算なのかヤケクソか…ハリル大転換

2016年11月05日 16時30分

ハリルホジッチ監督の胸中は…

 強気か、それとも狂気か。日本サッカー協会は4日、国際親善試合オマーン戦(11日、カシマ)とロシアW杯アジア最終予選サウジアラビア戦(15日、埼玉)に臨む日本代表メンバー25人を発表した。A代表初選出のMF井手口陽介(20=G大阪)など新戦力を続々と抜てき。さらに“聖域”にメスを入れ、驚きの作戦も披露するなどバヒド・ハリルホジッチ監督(64)がなりふり構わぬ策に走り始めた。

 

 最終予選B組3試合で2勝1分け1敗。勝ち点3差で首位のサウジアラビアに勝てば希望はつながるが、敗れればW杯出場は遠のく。状況的に追い込まれた指揮官はついに“信念”を捨てた。

 

 就任時からその才能にほれ込み「日本代表の将来を担う選手。我慢して使い続ける」と一貫して招集し続けてきたFW宇佐美貴史(24=アウクスブルク)をついにメンバーから除外。これまで攻撃のタクトを任せ、今季のJ1で浦和を年間1位に導いたMF柏木陽介(28=浦和)もあえて選出しなかった。

 

 代わりに大胆な若返り策を断行。その筆頭が、リオ五輪代表で守備的MFとして活躍した20歳の井手口の抜てきだ。「本当に能力がある。得点も取れて左足も右足も質が高い。奪うところもフィジカルも伸びている。パスもいい。前にもいける。本当にどんどん伸びている」とありったけの賛辞を並べた。

 

 また同じくリオ世代の久保を4年9か月ぶりにA代表に招集。「(クラブで)先発で出ていて得点も取っている。セカンドアタッカーとして面白い。サイドで使う可能性もある」と万能ストライカーとして、こちらも即戦力の評価を与えた。

 

 さらに守備陣でも「吉田と森重はイエローカードをもらっている。もし累積があれば彼に出番が回るかもしれない」とDF植田直通(22=鹿島)の抜てきを示唆。DF吉田麻也(28=サウサンプトン)、DF森重真人(29=FC東京)がそれぞれ最終予選で1度ずつ警告を受けており、今後ユニット変更の可能性も踏まえ、そのマネジメントも行っていく考えだ。

 

 これまではベテランや代表で実績のある選手にこだわった起用を続けてきたが、一気に方針転換。戦術面でも大バクチに打って出る。

 

「久保が入ることでアイデアが増える。我々は3トップだが、もしかしたら4トップになるかもしれない」と指揮官は腹案を披露。決定力不足の現状に業を煮やし、FWを4人並べる捨て身の作戦も視野に入れ、FWも1人多く呼んだ。

 

 まさにやられてもやり返せばいいというイケイケ戦術。基本戦術としてきた堅守速攻のショートカウンターはもはや見る影もない。単なるヤケクソか、それともハリルマジックか。答えはまもなく出る。