崩壊の道? 名古屋J2降格

2016年11月04日 16時30分

 名門の再建はイバラの道となるのか。3日に行われたJ1第2ステージ最終節で名古屋は湘南に1―3で敗れ、年間16位が確定。クラブ史上初のJ2降格が決まった。残留した場合には来季の逆襲へ向けて大型補強の準備も進めていたが、全ては水の泡に。エースコンビの流出が必至な情勢に加え、久米一正社長(61)も退任を示唆するなど、チームは一気に崩壊の道をたどりそうだ。

 

 負けたら降格決定の名古屋は前半から2点を先行される苦しい展開。後半5分にFWシモビッチ(25)がPKで1点を返したが、その後追加点を許して万事休す。

 

 2010年の初優勝の原動力となった元日本代表GK楢崎正剛(40)は「期待に応えられなかった自分たちの力のなさを悔やむばかり」とうつむき、8月に電撃復帰したDF田中マルクス闘莉王(35)も「この試合に人生を懸けてきた。まだ自分の中で整理がつかない」と目を潤ませた。

 

 開幕からの低迷を招いた小倉隆史監督(43)を解任し、闘莉王の復帰効果などで一時は降格圏を脱出していた。クラブ側は残留を見越し、来季に向けた再建プランも計画されていたという。

 

 あるJクラブの強化担当者は「名古屋は風間さんを引っ張るつもりで(一緒に)嘉人(も獲得する)という話もあった。かなりの資金があることは間違いない」。今季限りで川崎を退団する風間八宏監督(55)を再建の切り札として招聘し、さらに今オフの移籍市場の目玉となるFW大久保嘉人(34)争奪戦にも参戦する構えだった。だがJ2降格により、補強話は白紙に戻された。

 

「出る選手も当然いるだろう」との予測も。

 

 快足FW永井謙佑(27)は複数のJクラブが獲得に動いており、入団1年目ながら11得点をマークしたシモビッチも国内外から評価が高く退団が濃厚。

 

 2人合わせて18ゴールとチーム総得点38の半分近くを稼いでおり、攻撃力の大幅低下は免れない。久米社長は試合後に「J2に落ちたことのないチームを降格させたことは末代までの恥だと思っている」と謝罪し、進退伺を出す考えも明かした。

 

 1993年のJリーグ創設時から参加する「オリジナル10」の中で、一度は降格しながら再び昇格した浦和、広島、G大阪はJ1復帰後にリーグ制覇を果たし、常勝軍団へと変貌を遂げた。名古屋にも同じ期待がかかるが、闘莉王は「互いに手を取って前を向いてやっていかないといけないのに後ろに引っ張っているような気がした」とクラブ内部に解決すべきことが多いことを口にした。「世界のトヨタ」を親会社に持つとはいえ、復活への道のりは途方もなく険しい。