リオ五輪組で、関西勢の筆頭候補はJ1G大阪のMF井手口陽介(20)だ。豊富な運動量とボール奪取を得意とする守備的MF。特に1対1の局面では無類の強さを見せる。すでに日本代表のハリルホジッチ監督もリストアップ済みで、A代表デビューも近そうだ。

 誰もが認める才能の持ち主だが、経験不足から安定感はいまひとつだった。それでも、日本代表で国際Aマッチ152試合の最多出場記録を誇る、チームメートのMF遠藤保仁(36)から指導を受けて、レベルアップを実現。守備的MFでコンビを組むこともある井手口は「遠藤さんが気を使ってくれるのでやりやすい。頼りになります」と話していた。

 今シーズンは最年少で出場したリオ五輪だけではなく、チームでも出場機会を増やすなど飛躍を見せた。決勝まで勝ち進んだJリーグ・ルヴァンカップでは、ニューヒーロー賞を受賞。過去に選出された選手たちの多くは、その後、A代表でも活躍した。井手口は「これからも満足することなく、成長していきたい」と力を込めた。

 リオ五輪メンバーのA代表入りが続いているなか、井手口も「天才司令塔」と呼ばれた先輩の助言を生かして、ロシア行きを実現させる。