J第2S制覇も浦和イレブン危機感タップリ

2016年10月31日 16時30分

 J1浦和は29日の磐田戦で1―0の勝利を収め、第2ステージ(S)優勝を果たした。優勝した2006年以来10年ぶりのリーグ戦6連勝を飾り、公式戦は11連勝と圧倒的な強さを発揮。「失速の浦和」という汚名を返上したかに見えるが、チーム内には疑心暗鬼なムードが充満している。チャンピオンシップ(CS)制覇を目指す“赤い悪魔”の死角とは――。

 

 イレブンの笑顔もまばらな第2S優勝の表彰式は、次なる決意の表れだった。横浜Mとのリーグ戦最終戦(3日)に勝てば無条件で年間勝ち点1位でのCS進出となるが、負ければ同2位川崎に逆転される可能性もある。DF槙野智章(29)は「第2S優勝に満足はしていない。試合後のロッカールームでも次の試合(横浜M戦)が重要だという声が飛び交っていた」と強い口調で語った。

 

 ここ数シーズン苦しめられていた終盤の失速がウソのように連勝街道を突っ走る今季なら、あっさり大目標を達成してもおかしくない。それでも、不安要素がないと言い切れないのも事実。磐田戦は試合を支配しながらも、後半27分まで得点がなかった。しかもその後のビッグチャンスでも決め切れず、結局1点どまり。勝ったものの、昨季までの状況とは紙一重だった。

 

 それだけにミハイロ・ペトロビッチ監督(59)の脳裏には“悪夢”もよぎった。「こういう決め切れない展開だと、相手のワンチャンスで決められてしまうこともある。(V逸した)2年前の(第33節)鳥栖戦では、1―0でリードしていたが(後半アディショナルタイムに)CKで同点にされた。そういうふうになってもおかしくはなかった」。FW興梠慎三(30)も「最後のところで決め切れないのは怖いと思った」と不安があったことを素直に明かした。

 

 好調の反動を懸念する声もある。ある選手は「勝って勢いに乗っている今はいいけど、もし負けてしまったときにどうなるか。一度負けてからリズムに乗れなかった過去もあるので」とポツリ。昨季は無敗で第1S優勝を果たしたが、第2Sでシーズン初黒星を喫してから勢いを失っただけに、今後も敗戦から最後の最後で崩れる可能性は否定できない。

 

 前回優勝の翌年、07年以降のリーグ最終戦は1勝8敗と相性が悪い。「最終節、ホーム埼スタでの横浜M戦」は08年に1―6とまさかの大敗。試合後のセレモニーはサポーターの大ブーイングに包まれ、浦和の黒歴史の一つとなっている。

 

 当時とはメンバーが異なるが、疑心暗鬼になっている選手や監督を見る限り、危うさは残る。裏を返せば、次の試合もすんなり勝つようならCS制覇にも大きく近づく。思えば、横浜Mとは04年のCSを戦い、PK戦の末に敗れて年間王者を逃した因縁がある。浦和にとって最終戦は決して消化試合ではない。