袋叩きの本田に意外な所から救いの手

2016年10月29日 10時00分

ジェノア戦で不発の本田(中)にはイタリアメディアから酷評の嵐だが…(ロイター)

 ハリルジャパンのエースにイタリアで復権の可能性は残されているのか。ACミランの日本代表FW本田圭佑(30)は今季初先発となった25日のジェノア戦で期待に応えられず、地元メディアから“袋叩き”状態。そんな中、意外なところから救いの手が差し伸べられて波紋を呼んでいる。本田の周辺と名門クラブの内部で何が起こっているのか――。

 

 ビンチェンツォ・モンテッラ監督(42)が就任した今季、先発はおろか出場機会すら大幅に減少した本田にとって、ジェノア戦は久しぶりに存在感を示すチャンスだった。だが結果は散々。オフサイドトラップをかけ損ねて失点を招き、攻撃陣の活性化も図れずに後半17分でピッチを去った。

 

 首位浮上のチャンスがありながら0―3の敗戦を喫したことで、イタリアメディアは本田を酷評。「ミランに汚点を残した」「近年の移籍市場の失敗の象徴」などと書き立て、一発退場で数的不利を招いたDFガブリエル・パレッタ(30)の罪をもなすりつけた。サポーターからも「本田不要論」が噴出。今冬の移籍市場で放出という流れも現実味を帯びてきた。

 

 だが、そんな本田にまだ“味方”がいた。その人物は、本田をベンチに置き続けたモンテッラ監督。ジェノア戦後に「とても意欲的なプレーが見られた。技術的なミスは起こり得るもの。出場機会が少ない選手が見せる積極性は、私は常に評価する」と話し、本田を戦犯扱いしなかった。

 

 レギュラーを剥奪しておきながら、大失態の直後に擁護する指揮官の行動は矛盾しているように見える。だがモンテッラ監督の思惑は違うという。欧州事情に詳しい代理人は「今のチームには若い選手が多く、力のコントロールができていない。だから3日前の首位ユベントス戦でパワーを使い果たしてしまい、ジェノア戦では気が抜けていた。選手間でそういうのをコントロールしてくれていた主将のモントリーボが故障で不在というのは大きく、そのフォローを本田に期待した」と説明する。

 

 どんな苦境でも本田の心が折れないのは監督もわかっている。だからこそ難しい状況下の試合を任せた。結果は散々だったように見えるが、ミラン内部には「本田がパスを出せなかったのは、周りの選手が予想以上に動けなかったから」という声もあり、本田だけが貧乏くじを引かされた格好ともいえる。

 

 長いシーズン、ジェノア戦のようにやりくりが難しい試合は必ずある。そこで指揮官が背番号10を起用したということは、まだ見捨てていない証し。本田の首の皮はまだつながっているどころか、再浮上のチャンスも残されている。