武田氏がU-19イレブンに「海外で修行を!」

2016年10月26日 16時30分

 安心と慢心はまだ早い。24日にバーレーン・マナマで行われたU―19アジア選手権準々決勝で、日本はタジキスタンを4―0で破って5大会ぶりに、来年のU―20W杯出場権を獲得した。4年後の東京五輪で主力となる世代がようやく世界への扉を開いたが、本紙評論家で元日本代表FW武田修宏氏(49)は殊勲のイレブンに対して緊急提言。母国開催の五輪で世界の強豪と勝負するために「優勝して、海外へ行け!」と訴えた。

 

【武田修宏の直言!!】まずはU―20W杯の出場権を獲得したことについて、選手や内山篤監督(57)にはおめでとうと言いたいね。過去4大会の失敗からプレッシャーもあっただろうが、それをはね返して世界への扉を開いたのだから、日本サッカー界にとっても大きな勝利。東京五輪の前に世界の舞台に立てるのは、経験と強化の両面で意味があるよ。

 

 ただ、あくまで「第一関門」を突破したにすぎないことは忘れちゃいけない。今大会を見る限り、やはりアジアのレベルは低い。タジキスタンなんて引いてばかりだったし、強いと言われた韓国が不運な形で1次リーグ敗退。世界で勝負するのなら、まずは27日(日本時間28日)の準決勝ベトナム戦に勝ち、30日の決勝も制して優勝することが最低条件だね。

 

 この年代、世界のレベルはとてつもなく高い。すでに欧州のトップリーグで活躍する選手もいるし、厳しい環境の中で切磋琢磨しているから成長のスピードが日本の比じゃない。南米のブラジルやアルゼンチンの選手たちは生活をかけた競争をしている。日本はチームとしての強化はもちろん、やはり「個」の強化が課題。来年のU―20W杯までは時間がないけど、東京五輪までの時間は有効に使いたい。

 

 幸い、今回のチームは能力が高いタレントが揃っている。タジキスタン戦で2得点したFW小川航基(19=磐田)は桐光学園高時代から注目していたけど、ストライカーの雰囲気を持った選手。プロに入って成長し、8月にはリオ五輪代表の練習パートナーとして実力を伸ばした。伸びしろが大きいだけに、東京五輪やその後のA代表入りを見据えて早めの海外移籍を考えていいと思う。

 

 MF堂安律(18=G大阪)もクラブでの練習を見せてもらったことがあるが、技術はもちろん、戦術眼が素晴らしかったのを覚えている。彼も海外で実力を磨くべき選手だよ。

 

 このチームにはU―16代表からFW久保建英(15=FC東京U―18)が飛び級で加わってくる。戦術にフィットできれば戦力アップは間違いない。あとはおのおのがどこまで世界を意識した練習を日々積んでいけるか。協会にも積極的な海外遠征を計画してもらいたい。

 

☆武田修宏:たけだ・のぶひろ=1967年5月10日生まれ。静岡県出身。幼少期から「天才少年」と呼ばれたストライカー。名門・清水東(静岡)から86年に読売クラブ(現東京V)入り。ルーキーながら11得点を挙げ、リーグVに貢献し、MVPにも選出された。Jリーグ発足後はV川崎や磐田、京都、千葉などでプレー。00年には南米パラグアイのルケーニョに移籍。01年に東京Vに復帰し、同シーズンで現役引退した。Jリーグ通算は94得点。JSL時代も含めれば152得点を挙げた。87年に日本代表に選出。93年米国W杯アジア最終予選でドーハの悲劇を経験した。

 

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