【W杯アジア最終予選】30人大量招集…ハリル危険な賭け

2016年10月25日 16時30分

代表選手の増員を示唆したハリルホジッチ監督

 石橋を叩いて渡る“ハリル流”がアダとなるか。日本代表は国際親善試合オマーン戦(11月11日、カシマ)から大一番のロシアW杯アジア最終予選サウジアラビア戦(同15日、埼玉)に臨む。バヒド・ハリルホジッチ監督(64)は負ければ自身の解任問題につながる重要な戦いに向け、招集メンバーの人数を一気に増やすことを示唆している。故障者などのリスクに対応するためだが、この策が思わぬ弊害を呼ぶかもしれない。

 

 ハリルジャパンではアジア最終予選に入ってから故障者が続出している。9月にはDF長友佑都(30=インテル)とDF槙野智章(29=浦和)がメンバー発表後に故障が判明して不参加となり、その後にDF昌子源(23=鹿島)も離脱した。

 

 このため10月の予選2試合では通常の23人から増員し、26人もの招集に踏みきった。しかし、この際には9月シリーズを上回る故障者が出た。特にサイドバックが手薄になり、オーストラリア戦ではセンターバックが本職の槙野を左サイドバックで先発させる苦肉の策を取った。

 

 こうした経験を踏まえてハリルホジッチ監督は「(10月は)リスクを考えて多く呼んだ。ただ、もう2~3人は必要だったかなと思う」。11月シリーズでは日本代表メンバーのさらなる増員を示唆しており、大量30人の規模にまで膨れ上がる見込みだ。

 

 指揮官にとっては結果次第で解任危機となるサウジアラビア戦に、万全の態勢で臨むためのリスクマネジメント。とはいえ、30人もの選手を練習でしっかり見極めるのは難しい。紅白戦に参加できないメンバーも出てくるため、選手間の連係に不安が生じたり、コンディションの維持も難しくなったりと、不安要素は多い。

 

 なかでも最大の弊害は「(元日本代表監督のフィリップ)トルシエのときにもあったけど、代表にたくさん選手を呼べば、主力組のヤル気がなくなってしまうかもしれない。どうしても監督に自分が必要とされていないと感じてしまうから」(Jクラブ関係者)

 

 チームとすれば不測の事態に備える一手だが、全ての選手がそう受け取るとは限らない。特にレギュラーを張る主力組は“保険”で呼ばれた選手が多いと、自分は信用されていないのではないか…と疑心暗鬼になり、指揮官との間に亀裂を生む可能性も。そうなれば、ただでさえ崩壊寸前の両者の関係はもはや修復不可能だろう。

 

 すでにJクラブからは予選に選手登録できる23人以上のメンバーを呼ぶことに反発も出ている。大量招集プランは危険な賭けとなりそうだ。