J1川崎の元日本代表FW大久保嘉人(34)が、去就問題を“封印”して、クラブ史上初のJ1タイトル獲得と、4年連続得点王に照準を合わせている。

 昨季まで3年連続J1得点王に輝き、今季も15ゴールを挙げて得点ランキング3位につけるが、今季で2年契約が満了するため、今オフの争奪戦は必至。今季のチャンピオンシップ(CS)出場を逃したFC東京や神戸など複数クラブが、衰えを知らないストライカー獲得を画策している。

 大久保は23日、去就について「それは(今季が)終わってから」と語るにとどめた。それは、先にエースの仕事を果たさなければならないからだ。J1は残り2試合。勝ち点1差で追う年間1位の浦和を逆転し、CS決勝から出場するために「自分が点を取ってチームを勝たせたいし、得点王も諦めていない」と燃えている。

 得点ランク1位のFWレアンドロ(31=神戸)とは4点差で逆転は簡単ではない。しかしベテランFWが「1試合で2点、3点取れることもある」と何度も口にしているように、勢いに乗って大爆発すれば、最後の最後で“うっちゃる”ことも可能だ。

 一方のクラブ側は、大久保だけでなく、移籍が噂されている日本代表FW小林悠(29)も含めて残留させたい方針。この日、庄子春男強化本部長(59)はストライカー2人の去就に関して「個人の話はできない。(来季チーム編成は)現有戦力にプラスアルファの補強を考えている」と話した。

 川崎のエースは果たして、どんな最終決断を下すのか。年間王者を決めるCSの戦いとともに、気になるところだ。